目が可視光線を捉えてるって意味では、絵はすべて光なわけで、このキュレーションを魅力的と思う人は少ないだろうと思うけど、ターナーの日本初公開作が来てるそうなので。
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これがその作品。ゲーテの理論っていうのはたぶんゲーテの色彩論のことだろう。ゲーテは巨大な詩人であり作家なんだけれど、生前、ニュートンの『光学』を批判する著作を発表した。何せ詩人の科学論な訳だから、当時の科学者からはだいぶバカにされた感じだったが、言い方が難しいが、今ではかなり高く評価されている。素人の意見としては、ゲーテの方が正しかったと言いたいくらい。
おぼろげな記憶では、『詩と真実』だったか、エッカーマンの『ゲーテとの対話』だったかに、雪の上に落ちる影が青く見えるって現象について書いていたと思う(違ったらごめんなさい)。この「青い影」から印象派を連想しない人も少ないだろう。
ターナーは印象派のさきがけと呼ばれているが、そのターナーがゲーテの色彩論に影響を受けていたってところはすごく面白い。ちなみにゲーテ自身も若い頃、画家を志していたこともあった。
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ちなみに、この展覧会は、一部の作品を除いて撮影可になっていた。
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ウィリアム・ブレイクも詩人でもある。ミステリアスな人で、詩の中には、彼が勝手に作った単語なんかもあって意味がわからなかったりする。こうした絵を見ても、絵が図像として何かを伝えることができると信じているように見える。絵も言葉と同じように、何かを伝えられると信じている。そういう意味では「絵」にはない力強さを感じさせる。
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ラファエロ前派の中では一番若手で、いちばんポップなバーン・ジョーンズの大作。
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同じくいちばんクラシカルなジョン・エヴァレット・ミレイの大作。
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これは確かにロンドンではなくチリをモチーフにしているそうだが、ホイッスラーの絵を見ていると、霧のロンドンと言われた頃のロンドンの大気汚染がいかにひどかったかがわかる気がする。
ミラノの霧は囲繞する環状運河が発生源だったが、ロンドンの霧はただの公害だったと言われている。北海道と同じ緯度にテムズ川のような大河があるので川霧が発生してもおかしくないと思うが、ホイッスラーのこの絵は空気の表現がおかしい。
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印象派の唯一のイギリス人だったシスレー。あとから振り返るといちばん印象派的で、しかもずっとそのままだった。
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モネの連作といえば積みわらや睡蓮が有名だが、このポプラ並木も繰り返し描いたなモチーフだった。この別バージョンが国立西洋美術館にある《陽を浴びるポプラ並木》で、見比べてみるのもよいかも。現在展示中みたい。
現代美術では
があった。
2枚、あるいは3枚の板に見えるかもしれないが一枚の円盤にすぎない。
ゲーテの色彩論を実感したければ、ジェームズ・タレルの《レイマー、ブルー》。写真には写らないのだけれど、しばらく見た後入口を振り返るとゲーテの言い分がわかる。