福田美術館は、嵐山の渡月橋の前にあり、お正月も2日から訪ねることができる。で、このところのお正月は何となく訪問が習慣になってる。
しかも、関東では滅多に出会わないコレクションを観ることができる。応挙、蘆雪、若冲、蕭白など。
でも、その前に、まず品川亮のこの
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には驚いた。
この椿の花の意匠化と、たらしこみみたいに見える葉、築山の掠れなど、発明だと思う。
2023年制作ってことしか書いてないので、絵の具が何なのか詳らかにしないが、岩絵の具ではなく油絵具なんじゃないかと見える。
例えばこういう
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の蓮の花びらの部分とか、この
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とかは全体にそうだし。でも、黒の部分は墨にも見える。
この
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の月の、絵具の剥がれた感じなど独特の美しさだと思う。この制作年も去年なので、これがこのままどんどん剥がれていくなら困るのだけれども。意図的に剥がしているんだと思うので。
酒井抱一が琳派の、彼の場合は尾形光琳だろうけれど、時を経た絵の銀焼けを再現しようとして、初めから月を黒く描いたウズラの絵を見たことがある。
千利休は「侘びたるはよし、侘ばしたるは悪し」と言ったのだけれども、こないだ五島美術館で伊賀焼の花入を大量に見て「いや、侘ばしてますやん」と。侘ばして侘ばして大量に侘ばしたなかから、「侘びたる」名品がちょっと生まれる。
逆に鍋島焼のような方向に進めば、そこからたまたま「侘びたる」ものが生まれたりするってあるわけないですもん。「侘びたる」を目指す作家たちは「侘ばしまくる」しかない。
かといって千利休の言ってることは作家たちにもよくわかったはずなので、実際のものづくりの現場では、「侘びたる」と「侘ばしたる」の差は、洗練の極み、わずかなセンスの差だったと思われる。
この
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なんか、李禹煥を連想させるけれど、個人的には李禹煥より良い。
少なくとも、ロイ・リキテンスタインが描いたマティスの金魚鉢みたいなセンスを感じる。
作家が最初に手がけた日本画
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が展示されていたけれども、制作年は2010年とのこと。ここから13年でここまて到達するってすごくないですか。
新年早々いい画家に出会えてよかった。
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