読売ジャイアンツプロ野球全体も、ナベツネの『妄想の写し鏡』にすぎない」と、書いたけれど、これは、多くの経営者に一般化できる話かも知れない。だが、現実にはそこで働いている人たちがいる。ナベツネ自身も「選手のことを第一に考えないといけない云々」と言っていたが、あれはあれで、彼なりに精一杯いい子ぶっていたらしい。そうでなければ、ライブドアの申し入れを拒否するはずがない。松井秀喜が日米の野球の違いを聞かれて、「メジャーは選手に敬意を払ってくれる」と答えた。


小林信彦さんが、ヤクルトファンであることは、氏自身が書いていたことなので、間違いないはずだが、今週の週刊文春のエッセーを読むと、清原もお気に入りらしい。私にとっては、この辺が、小林信彦小林信彦たるゆえんだ。『天才伝説 横山やすし天才伝説 横山やすし (文春文庫)は、名作だと思っているが、それはそれとして、どうして江戸っ子の小林さんが、横山やすしに入れ込むのか?さらに進んで言えば、横山やすしが東京でどうしてあんなに人気が出たのか、関西人としては未だに腑に落ちない。


腑に落ちないと言えば、清原の話がなぜ、突然横山やすしになったか、私の中では、小林信彦さんの清原びいきは、横山やすしびいきと、だぶって見える。いま、清原は左手小指骨折で、戦線離脱いている。今期絶望だとか。私に言わせると、左手小指のデッドボールなんて、全くピッチャーの責任ではない。「その左手はそこで何をしていたのか?」意味もなく幅寄せしてくるダンプを思い出してしまう。その左手にはバットを持っていたんじゃないのか?よけろ!さもなくば打て!結局チームに迷惑をかけている。ところが、こういうのが小林信彦さんは好きなのだ。


それは、そうと、ライブドアバッファローズを買い取れるかどうかには、プロ野球が旧メディアから新メディアに、移行できるかどうかという側面も含んでいる。というか、そちらの方が大きいかも知れない。12球団が10球団になり、2リーグが1リーグになることは、野球界の縮小を意味している。確かに、旧メディアに閉じこもろうとしているのなら、縮小していく方が都合がいいだろう。旧メディア自体が縮小していくのだから。私自身も、もう長く新聞を取っていない。新聞は、オウム真理教事件で死んだと思っている。