出会いがしらのハッピー・デイズ

knockeye2004-11-01

読みかけの本をおいといて、小林信彦さんが週刊文春に連載中のエッセーを一年ごとにまとめた1999年と2000年分、『最良の日 最悪の日』『出会いがしらのハッピー・デイズ』を読んだ。ゲバラの旅より断然面白いからしかたがない。小林秀雄の『考えるヒント』より、ずっといい。

ただ、話題が東京の変遷に傾く時は、ちょっとついていけない。もちろんそれでも十分に楽しめるけれど、本当は分かっていない。変遷したのは東京だけではない。小林信彦さんが疎開していたという上越も、風情のある城下町という形容は、もうあてはまらない気がする。

直江津の公園でテントを張った時、犬の散歩をしていたおじさんと話をしたが、板塀をくぐるとすぐに海岸に出られた昔より、この殺風景な公園ができた今の方が、「潮が直接当たらなくなって便利になった」というのだが、あの風情と引き替えにする価値のあることだったのだろうか?町並みを守った方がよくなかったか?もちろん、こんなことはおじさんにいっても仕方ないことではある。

直江津や、高田を丹念に歩いたわけではない。たとえば、雁木なんてあったかなぁ?という程度だ。正直言ってあそこまで行くより、糸魚川から信州に向かってしまう。機会があれば、散歩でもしてみたい。