称名の滝

knockeye2004-10-31

小林信彦さんは、天気予報が当たらないとお怒りだが、ここではたいがい当たる。田舎だから天気が単純なんじゃないかと思う。前にも書いたが、水平線と海岸線の間に、前線が見えている時がある。・・・と、私は思っている。

今日も天気予報はどんぴしゃで、午後から天気が悪くなり暮れてから雨になった。称名の滝をみて、有峰林道に廻ろうと予定していたが、称名の滝を見ているうちにみるみるガスって来たので、有峰林道はとりやめた。

かわりに、立山博物館で「チベット曼陀羅展」をみた。多田等観がダライ・ラマ13世から送られたという釈尊絵伝と、博物館所蔵の「タンカ」。これは、チベットの軸装仏画をこういうらしい。しかしながら、どれもただみるだけでは何のことかさっぱり分からなかった。多田等観という人について、少し知りたいと思ったのだけれど。河口慧海については、本も読んだが、多田等観という人は「旅行記」みたいな軽いモノを書いてくれなかったのであまり知らない。気になっているのは、河口慧海の旅行記はどの程度「ホラ」なのか?あるいはホラじゃないのか?等観は正式なルートでチベット入りしているが、なにしろ、慧海の方は「潜入」なので、おおっぴらには言えないこともあったろうから、そこにちょっとしたミステリーなど生まれるもとがある。

展示として面白かったのは、むしろ、立山信仰の常設展示だった。平安時代から、立山に地獄があると信じられてきたこと。立山の町は、立山信仰の宿坊が中心となってできた町であるらしい。

廃仏毀釈で壊されてしまったそうだが、芦くら寺の「布橋灌頂会」というのが興味深い。立山登拝が許されなかった女性たちが往生を願う儀式だったようだ。私はあまり夢を見ない方だが、中学生の時、布の橋が落ちる夢を見た。前世で「おイタ」が過ぎたのだろうか?