猫を抱いて象と泳ぐ

 最近、ちょっとご無沙汰気味にしていた小川洋子
 伝説のチェスプレーヤー"リトル・アリョーヒン”の生涯。
 最後にどういうわけか若島正への感謝の言葉が添えられていた。
博士の愛した数式」もそうだったけれど、数学的な美しさを言葉に置き換えるのがとてもうまい。
それから、小さくなって狭いところに入り込むということを偏愛している気がする。「薬指の標本」とか。
美しい物語を書ける人は、残酷なことも平気で書ける。昔話の底知れない残酷さに似通ってきた。