
- 作者: 河治和香
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/05/10
- メディア: 文庫
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昨日、痛さで気絶しそうになりながらも出かけたのは、がらにもなく予約をしていたから。美術展の方は前売り券を買っていた。
滅多にやらないことをしたときに限って、滅多にしない怪我をする。しかし、確かに少し疲れてもいたのだろう。後になって疲れていたと気づくのは、たいがい最低のパターン。サービス残業中に怪我しているのだから目も当てられない。
そういうわけで今日はステキな初秋の一日だったけれど、どこにも出かけずに本を読んでいた。
主人公が歌川国芳の娘という設定がなかなかによい。
作家の河治和香は、葛飾柴又生まれで前身は映画のシナリオ。おそらくそのころ時代考証として江戸風俗を学んだのではないか。
映画が小説に与えた影響は、写真が絵画に与えた影響によく似ている。
写真が登場したころ、絵は写真にできないことを模索したし、また写真からの影響も受けた。
小説と映画にも同じことがいえるだろう。小説の技法は西洋のお下がりだった日本だけれど、映画の世界においては日本は必ずしも後進国ではない。1926年に川端康成が脚本を書き、衣笠貞之介が監督した「狂った一頁」は世界的な古典だったりする。
河治和香はシナリオ出身だけに台詞がいいし、イメージが力強い。
少し前に、トルーマン・カポーティの『遠い声・遠い部屋』を翻訳で読もうとしたのだけれど、会話のところがどうしようもなくてどうしても読み続けられなかった。だって、アメリカの小学生くらいの女の子が「・・・ですもの」とか、いくらななんでも勘弁してほしいよ。無理して読み続けると悪い夢見そうだった。
左手の親指を使えなくてもキーボードは打てるね。でも、髪洗うのも顔洗うのも億劫になってしまうし、痛さで食欲なくなるし、いろいろ影響が出てきてしまう。
