高橋誠一郎浮世絵コレクション名品展

とつぜん寒くなって、Tシャツはタートル、アウターに厚手のセーターを重ねて出かけた。
もし、朝のうちに投票に行かなかったら、こんなに寒いと気がつかなかったかも知れない。
午前中いっぱい細かい雨が降り続いてやみそうになかったので、地下鉄を乗り継いで三越前まで行った。
それで気がついたのだけれど、駅からエレベーターで三井記念美術館のロビーにあがれる。いままで東京駅の八重洲口から歩いていたのはバカだったな。最初に相鉄沿線に住んでいたせいで、そういう行きかたを憶えて、あとは習い性になっていただけなのである。
高橋誠一郎浮世絵コレクション名品展のその中期。前期、中期、後期と三回行く気なのかと聞かれると、どうも行く気らしい。浮世絵という絵はグラビアみたいなものらしく、同じようなものなのに、何故か見飽きない。
今回けっこう気に入ったのは、明治以降の浮世絵師たち、歌川国芳の弟子の月岡芳年もそうだけれど、水野年方とか小林清親が描いた明治の風俗はいきいきとしていて意外にいいと思った。
意外というのは失礼なようだが、明治以降の日本画はおしなべて全部ダメと思っていたところもあったので、ちょっと見直してしまった。
権威やアカデミズムと無縁なところで命脈をつないでいたのが幸いしたのだろう。江戸の浮世絵と現代のマンガをつなぐミッシングリングのようにさえ見えた。水野年方の絵はそのまま田川水泡とか長谷川町子につながっていきそう。あるいは中原淳一とか竹久夢二とかに。
展覧会をみおわって外に出ると、三越前の通りを封鎖して、東京活粋パレードというのをやっていた。雨は止んでいたが寒さはあいかわらず。
前にも書いたけれど、東京というところは毎週末がお祭りみたいなものなのだし、パレードしている人たちより沿道の女の子の方がおしゃれだったりするわけだから、よほどしっかり企画しないと、なかなかたいへん。