目の前の人

菅直人記者クラブの古色蒼然としたトラップに引っかかったことで、小沢一郎菅直人の共通点に気付いた。ふたりともバカ正直。
それにしても、記者クラブって、財務大臣が変わるたびに同じ質問を投げかけてきたらしい。
そういう通過儀礼みたいなことを、こいつらは戦後60年、営々と続けてきたのかと思うと、さすがにアホらしい。
菅直人の発言をテレビで聞くことがあるが、大概いつも正しいと思う。しかし、同時に、この人はいつも目の前の人と話しているなぁとも思う。
千原ジュニアが大阪で生番組をやっていたころ、板尾創路
「おまえ、会場に来てるお客さんしか見えてないやろ。テレビの前のお客さんのことも意識せなあかんで」
と注意されてハッとしたとやりすぎコージーで話していた。
そこがタレントの一流二流を分けていると思う。明石家さんまがクイズミリオネアに出ていたときのことは前にも書いたのでくりかえさない。
以前にも書いたことだが、菅直人が年金未払いで責任をとらされたときのこと、あれは、例によって厚生官僚の意図的な情報リークで、ずっと後になって、実はきちんと納めいたことが明らかになった。
同じように厚生官僚の姦策で、小泉純一郎が勤務実態のない企業に厚生年金を払わせていたことが、マスコミにリークされたことがあったが、そのとき、小泉純一郎
「人生いろいろ、仕事もいろいろ」
といって、煙にまいた。
一見無責任なようだが、そうではない。意識が高いところにないとああいう発言は怖くてできないはずである。自分がその立場になったと想像してみれば分かる。謝る方が楽なはずだ。
ようするに官僚の陥穽にすぎないものに、バカ正直にお付き合いする必要はない。彼ら官僚は想定外のリアクションに弱い。小泉純一郎はそのことをたぶん熟知していたと思う。
先日、小沢一郎東京地検特捜部の事情聴取に応じるべきではないと書いたけど、要するに極力彼らの想定外のことをやるほうがいい。
国民の大多数は、おそらく、鳩山家の献金問題も、今回の土地取得問題も、もちろん、今回の相場の問題も、ほぼ全く問題にしていないと私は信じている。
記者クラブ東京地検特捜部も、障子の桟のホコリをぬぐう小姑みたいで、正直うざい。
政権交代の何に国民が期待しているかを見失わないようにしてもらいたい。
どうしてもっとしたたかになれないのだろうとイライラする。