東京地検特捜部

東京地検特捜部が小沢一郎から事情聴取したいそうなのだけれど、私からひとつ提言させていただく。無視しろ。
去年、西松事件のころにしつこいほど書いたが、もう一度書くと、東京地検特捜部は、定額給付金関連法案という、与野党がもっとも対立している法案審議のその前夜、わざわざテレビカメラを入れて、当時、野党第一党の党首だった小沢一郎の公設第一秘書を逮捕するというパフォーマンスを断行した。国会の会期中は政治家を逮捕できないことになっている。それは、もちろんその逮捕が法案の審議に影響を及ぼすからであるが、野党党首の公設第一秘書をテレビカメラの前で(東京地検特捜部からの情報がなければテレビカメラが間に合うはずがない)逮捕することは、明らかにその法の精神を踏みにじっている。
そして、ご存知の通り、それから何ヶ月かたった今、あの事件はどうなった?
子猫一匹でてきてやしないだろうが?
東京地検特捜部は何をやっても許されるのか?
少なくとも去年の3月24日のNHKの報道だけはどうしても許しがたいと私は思う。
小沢一郎が党首続投の会見を開いたその深夜、「大久保秘書が自白した」という報道を朝まで繰り返し流し続けたのである。「関係者の話」として。
翌朝、民主党は即座に否定のコメントを出した。
しかし、問題なのは、この場合、ニュースソースとなりうる‘関係者’は、東京地検特捜部のトップ三人しかありえないことだ。したがって、東京地検特捜部のトップ三人のうち誰かが必ず守秘義務違反を犯している。
当時も書いたけれど、このことはうやむやにしていいことではない。この同じ手法が一般市民の冤罪に使われたら、一般市民は対抗のしようがない。
国会には国政調査権があるのだから、民主党政権政党として、この報道の背景を調査する義務があると思っている。
官僚から取り戻さなければならないのは、‘政治’だけではない。‘正義’も‘公共’も、あるいは、‘国民’という概念すらも取り戻さなければならないのかもしれない。