徹底抗戦

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徹底抗戦

私たちは検察官僚から「正義」を取り戻す必要がある。
いわゆるライブドア事件ホリエモンがどんな悪さをして捕まったのかちゃんと説明できる人がどれくらいいるだろうか。
少なくともわたしは、当時も今も何のことやらさっぱり分からない。
経営陣ほとんど全員がパージされるほどの巨悪ならば、国民に周知されていて当然だと思うが、実際はどうだろうか。
奇しくも昨夜の「朝まで生テレビ」で、ホリエモン逮捕のわずか2日後に、検察が粉飾決算をリークしたと、民事の法廷で検察官自身が証言したことが話題になっていたが、その逮捕についてホリエモン自身が書いている。

通常、この手の捜査は粉飾や負債を隠蔽し続けたものが表面化した会社や、倒産もしくは民事再生入りした会社に対して行なわれる。ライブドアのような"生きた”会社に強制捜査が入ることは、あまりない。なぜなら、生きている会社に強制捜査を行なえば、株主が被害を受けることは明白だからだ。

また、強制捜査の行なわれた"曜日”も問題だった。企業への強制捜査は、金曜日に行なわれるのが常道である。強制捜査が入った段階で市場に混乱が起きるのはわかりきっているからだ。その混乱を冷却させ、投資家に冷静な判断をさせるためにも、金曜日に捜査をするのである。

(略)

なのに、東京地検特捜部は月曜日の夕方に強制捜査を行なった。この結果、市場は大混乱を来たして投売りが続出。これが、さらに売りを呼び、市場全体の株価が暴落したといっていい。

一審・二審で出た私の判決では、罰金は科されない。犯罪収益を直接確保したわけではないから当然の判決ではある。が、特捜部は私に金銭的な罰を科したいと思ったのであろう。わざと市場を大暴落させ、あえて一般投資家を巻き添えにして大きな経済的損失を与えたと考えるのは穿った見方だろうか?一般投資家を犠牲にすれば、当然、株主代表訴訟が起きる。刑事だけでなく、民事でも私を追い詰めようと考えたのだろう。

私個人はこれは穿った見方ではないと思う。
というのは、ほぼ同様なことが大久保秘書の逮捕のときも繰り返されたからだ。東京地検特捜部は、自分たちの行動が、経済や政治に大きなインパクトを与えることを計算に入れて行動しているとしか思えない。
しつこいようだが、野党第一党党首の公設第一秘書を、与野党が最も対立している定額給付金関連法案の再議決を明日に控えたその夜、テレビカメラを入れてこれ見よがしの逮捕を演出した検察のやり方を見て、そこに政治的意図がないと思う人には、主権者として政治を監視していこうという意志が欠落しているとしか思えない。
これを検察の立法への不正な介入といわず何が不正なのか。
度を越して「異例」であることは、検察内部からも批判の声が上がっていることからも理解できるだろう。
日曜の朝のテレビでは鳩山由紀夫は憔悴しきっているように見えた。小沢一郎の進退は衆院選前までに決定するという報道が流れた。
しかし、私の意見をはっきりさせておくが、今は絶対に小沢一郎を辞めさせてはいけない。
なぜならば、今、民主党が党首を交代させれば、検察はいつでもどの政党の党首の首も思いのままにすげ替えられることになる。
民主党は官僚政治の打破のために政権交代を目指していると理解している。であれば、もし、政権をとった後も、官僚たちのありとあらゆる執拗な攻撃にさらされることを覚悟しなければならない。こんなのはまだ序の口にすぎない。その覚悟を彼らに見せ付けることが必要だ。
国会議員として、今回の逮捕が検察の不正な介入であると思わないのか。小泉純一郎の政治手法をポピュリズムだ、小泉劇場だと揶揄してきたのは誰なのか。選挙結果を気にして国民の顔色を見て、不正を不正と指弾する言葉を持たないなら、政治家をやめて国に帰ったほうがいい。
テレビは報道機関として死につつある。インターネット上のアンケートでは、検察がおかしいという声が56%にのぼっている。今回の検察のやり方はどんな理由付けをしようとも、少なくとも批判を受けざるえないはずだ。にもかかわらず、そういう批判がテレビメディアからは申し合わせたかのように聞こえて来ない。
そして、テレビが頬かむりを決め込んでいるにもかかわらず、ネットでは過半数の声が検察を批判している。
私たちは検察官僚から「正義」を取り戻さなければならない。「正義」を彼らの飯の種にさせておいてはいけない。
今、小沢一郎民主党が戦っている戦いは、戦う価値のある戦いである。日本を警察国家に貶めるか、政治を国民の手に取り戻すかの戦いだからだ。
政治家として最も必要なことは、国民に言葉を届かせることだ。国民を信じ自分の目の見た不正を糾弾し、自分の信じる「正義」を訴える。それ以外になにか政治の仕事があるのか。
思い出してもらいたい。テレビや雑誌は徹底的に反小泉キャンペーンを展開したが、結局、選挙では小泉が圧勝した。
56%の6%に民意が宿っている。言葉が届けば勝てる。というより、言葉が届くことが勝つことなのだ。国民に言葉を届かせられた政治家が必ず勝つ。
そう信じないで政治家をこころざす意味が何かあるだろうか。