「フィッシュ・ストーリー」、ヨコハマヒザクラ

knockeye2009-03-29

ひさしぶりに五日も出勤するとバカみたいだ。今まで働きすぎてたんだ。週4日も働けば十分だ。
ヒマなせいか、桜の知らせに目がとまる。本牧にヨコハマヒザクラという桜があるとのことなので、観にいくことにした。
昨日近所にミツマタの花を見つけて、意外に香りが強いのにびっくりした。花粉症の人は春の花の香りが楽しめなくてほんとに損してるなぁと思う。
本牧」ってここ、むかし「あいつとララバイ」の舞台になってたあたりか。本牧レディとかいたよな。確か、あの主人公、Z2にノーヘルで乗ってたけど無茶だと思うなぁ。
それはさておき、バス停の前のローソンのお兄さんに道を聞いて、本牧山頂公園てふところに向かう。ひざくらの丘というのがあって、そうでなくても、とおくからピンクの花盛りの梢が見えているのですぐにそれと分かった。

ヨコハマヒザクラはケンロクエンクマガイ(ケンロクエンは兼六園だろうから加賀の品種ということだろう。となると、後ろに続くクマガイは熊谷蓮生坊直実のことであろうかと私などは推測してしまう)とヒカンザクラの交配種。その原木がこの丘にある。そして下村観山の碑が海に臨んでいた。
下村観山は横山大観よりはずっと好きだけれど、とらえどころがない感じがする。不思議な画家という印象だ。ジョン・エヴァレット・ミレイの裸婦(それ自体が珍しいのだけれど)を模写したりもしている。
岡倉天心とか横山大観などのアカデミズムに引っかからなければ、もしかしたらラファエロ前派みたいなリリックな絵を描きたかった人なのかもしれない。
ソメイヨシノ開花宣言があってからしばらく寒が戻ったので、花は長持ちするといううわさ。しかし、ソメイヨシノの方はまだ満開にはほど遠いようだった。
ヨコハマヒザクラの横に咲いていたのは多分オオシマザクラだろうと思う。白いし葉っぱも出てたから。

そうはいってもソメイヨシノも少しだけ咲いてはいた。

もう少し暖かくなればお花見の客でにぎわうのではないかと思う。

横浜の地理もまだ頭に入っていない。桜木町の駅に戻って、野毛のちかみちというのを見て思い出した。横浜にぎわい座のあるあたりだ。昼と夜では印象が違う。
ポスターを見ると、春風亭小朝が四月に来るそうだが、平日なのでむずかしそうだ。
昼間なので目印が見渡せた。クイーンズスクエアを目当てに歩き始め、ランドマークタワーの下を通って、ジャックモールに出た。
109シネマで「フィッシュストーリー」を見るかどうか迷って結局見た。
”fish story”という英語の意味は「ほら話」だそうだ。
冒頭、車椅子に乗る石丸謙二郎のチューブの位置がカットごとに違っていて、何かやるつもりだなと予感させた。ほら話の予感。
森山未来のエピソードがポイントかな。もう少しハードボイルドにしたほうがよかったも。
アヒルと鴨のコインロッカー」「ジェネラルルージュの凱旋」の中村義洋監督。監督に作家性があって、この監督だったらこう撮るんだろうなという、まあ、中村節とでもいうようなものを楽しみに行くようなところがあって、作品全体の出来は気にならなくなってしまう。
出来が悪いということではなくて、挑戦しがいのある素材を選んでくれているので、その料理の腕前を堪能しようという気分になってしまうということ。
感想としてはもうちょいハラハラ感がほしかったので、もっと落差のある演出だとさらに楽しかったかも。具体的には、「え?帰るの?」というところで場面転換しちゃうとか、「え?死んだの?」で最後まで引っ張るとか。
でもまあそういう細かいことはどうでもよくて、面白かった。音楽が地球を救う。地球を救う音楽がフィッシュストーリー。