- 作者: 小川洋子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/08/05
- メディア: 単行本
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小説を書くから小説家なのか、小説家が書くから小説なのか、と、ときどき考えることがある。
私にとっては、少なくとも、小川洋子は、何を書いても小川洋子という信頼感がある。
いつだったか明石家さんまが、グルメレポートでラーメン屋を紹介したり、旅番組の温泉レポートをしたらどうなるか、という企画をテレビでやっていたが、この小説は、小川洋子が私小説を書いたら、こんな大うそになっちゃいましたという、そんな感じ。
オビにある「ここにはひとつの嘘もない」って、それがもう嘘ですから。
最後の美術展の話は、こないだの、低調におわった横浜ビエンナーレなんかより、ずっと刺激的で楽しそう。