不慮の事故

 今月はたてつづけて困ったことが起こった。
 ひとつは、誕生日を迎えたことかもしれないが、それはいいとして、もうひとつは、長らくホームページをおいていたインォシークから、「これから有料にするから、金の払えないやつは出て行け」という通達があり、どうしようかなと思っているうちに、削除されてしまった。
 いま、実際に更新しているのは、このブログくらいなものなので、いいっちゃいいようなものだけれど、ロシアの地図とかは、やや不備な点もあったものの、けっこう世界各国から閲覧されていたみたいなので、近いうちにどこかに復活させたいと思ってはいる。
 もうひとつは、これまた長らく愛用していたデスクトップPCが臨終を迎えてしまった。
 今これを書いているのは、ノートなのだけれど、画面が小さいので目がつらい。でも、それくらいで、デスクトップがなくても、意外に困らないのでかえってびっくりしている。
 買い換えようか、それとも、直るものなら直そうかとつらつら考えているうちにあっという間に時が過ぎていく。
 そんなこんなで一週間ほど更新を怠っているうちに、世間ではいろいろなことがあった。
 こんな具合な状況でなければ、私もそのたびにいろいろなことを書いていたかもしれない。
 たとえば、NHKで中村哲の番組を観た。
 テレビ東京で、海外から日本の企業に就職している若者たちを観た。
 テレビ朝日で、小宮悦子と大塚公平が話しているのを観た。
 小沢一郎が、一年生議員の前で話しているのを観た。
 良いことと悪いことがあり、私が何を思ったかは、私が書かなければ伝わらないわけだけれど、タイミングをつかみそこねた後に、書こうという気にならないのは、今まで書いてきたことの、繰り返しになるだけのことだからだろうと思う。
 「だから言っただろう」みたいなことを、書くのもいやだし、読まされるのもちょっとうざいだろうし。
 昨夜は、文藝春秋石原慎太郎が寄稿した「日本堕落論」というのを読んだ。坂口安吾の「堕落論」とはほぼ何の関係もなく、どうにもとりとめのない、いってみれば口説きと言ってしまえないこともないのだけれど、それでも、現役の東京都知事がこれを書いているというところに値打ちがあって、おもしろい部分がいっぱいあった。
 石原慎太郎というひとは、まず行動してみる人で、フットワークが軽くておもしろい。
 プーチンが来日したとき、日本の保有するアメリカ国債を担保にして、シベリア開発の基金を作りたいと提案したという話が興味深かった。
 北方四島なんて、あんなちんけな島にいつまでも拘泥して、巨大な発展のチャンスをむざむざ逃しているのはほんとにあほらしい。
 中国、韓国、北朝鮮、ロシア、アメリカ、と日本の近隣諸国を眺めてみて、日本とロシアは手を組むしかないと気がつかないのはほんとにどうかしている。
 じいさんたちが自分たちでふけなかったケツの穴のにおいを、いつまでもかがされているのはもううんざりだが、世論の幻想を懼れるあまり、政治もマスコミもこの問題を動かすことできない。
 たとえば、「北方四島なんていらねえ。それより、ビザなしでBAM鉄道かシベリア鉄道で、ヨーロッパに気楽に旅行できる方がうれしい」なんて正直なことが書けるのは、ブログくらいなものだろう。
 ちなみに、ロシアがNATOミサイル防衛システムへ連携を持ちかけたのも、つい最近だったか。もう東西冷戦の時代ではない。中国が南シナ海制海権を手中にしようとしているいま、ロシアを通じて日本と欧州が地続きになるのは、物流の面からも悪くないと思うんですよね。