ひっこしをめぐるあれこれ

knockeye2013-05-12

 たまにひっこしするのもよいのかもしれない。いやおうなく自分の暮らしを見つめ直すことにもなるし、とくに、わたしみたいにずぼらな人間には、リセットのチャンスになる。
 いろんなことが先延ばし、放りっぱなしになっているなかで、昨日は、ついにKLX250を処分した。古い知り合いがこれを聞いたら、まだ持ってたのかと驚くだろう。そのくらい長く放置していたので、さすがに売れない。こちらがお金を払って持っていってもらうことになる。昨日は、ものすごい雨のなか、動かないバイクをトラックに積み込むのを手伝い、雨より自分のずぼらが身に沁みた。
 バイク屋の若い店員さんと、ひさしぶりにバイク談義をした。さいきん、バイクの新車に選択肢がすくなくなって、わたしみたいに旅の道具として、というか、キャンプ道具として使う乗り手がそそられるバイクがなくなった。
「こないだのモーターサイクルショーにヤマハが出展していた‘陵駆’が発売されたらすぐ買うんですけど」
みたいなことをいったらWRを勧められた。
 WR400が大阪城の、あれは体育館だったか、とにかく室内で行われたスーパークロスを走ったのは観にいった。4ストだし、400だし、しかも室内だしで、他のバイクと音のでかさがちがったのを今でも憶えている。

 バイク屋のおにいさんが、最後に
「写真撮りますか?」
と言ったのには虚を突かれた。どっちみちわたしはそのタイプではない。それを‘冷たい’といわれれば、言葉に窮するのだけれど、わたしに足りないのは‘餓え’だと、自分では分析している。わたしには餓えが足りない。もちろん、人並みに餓えないわけではないが、そういうときも、餓えている自分にもう一人の自分が醒めている。そして、そういう餓えをにせものだと思い、自分はにせものだといつも感じている。これほどひどい我執はなく、わたしはこれからなかなか逃れられない。
 バイクと同じく放置していたものに、インターネットの固定回線がある。富山にいるころから、インーネットはケーブルテレビだったが、今のノートにしてからはずっとUQWiMAXしか使っていない。だって、UQWiMAX内蔵なんだし、デスクトップはクラッシュしたが、今さらデスクトップを買う気になれない。
 それでひっこしを機にケーブルテレビを解約して、タブレットを手に入れようと思うが、セルラータイプかWiFiかどちらがいいんだろうか、WiMAXをルーターでつないでいれば迷うことはないが、なにせ内蔵だからなと、UQに電話してみたら、ルーターを手に入れれば、月々プラス200円で使えるのだそうだ。セルラータイプにすれば、現状に月々6000円くらい通信コストが増える。それがわたしの場合、UQWiMAXなら、現状プラス200円。そりゃWiMAXにするでしょ。

 それからもうひとつにはテレビの問題。地デジ化以来、いっさいテレビを観ていないわたしなので、ひっこしを機にNHKの受信料も止めようと思い立ったが、NHKさんは電話に出てくれない。居留守使う公共機関はNHKくらいかと思う。
 テレビについては、とくに思うところあって観ないわけではないが、現に、地デジ化以来まったく観ていないのだから、ここでまたテレビを買うか、それとも、正式に(?)辞めるか、思案のしどころ。
 ところで、ゴールデンウイークに実家に帰ってテレビを観ていて、イチローのすごいプレーを目撃した。
 ランナー一塁で、大きな飛球がライトに飛んだ。イチローが落下点に走っていって向き直り、捕殺の体制に入った、と思ったら、打球はイチローのはるか頭上を越していった。「え?」と思ったけど、次の瞬間、フェンスに当たった打球はイチローの足もとに。イチローはすかさず二塁に送球。イチローの動きで速度を落としていた打者走者はタッチアウト。走者も本塁に突っ込めなかった。
 これこうやって文章に書くのもむずかしいけど、やってるプレーヤーはもっとむずかしいはず。打球がフェンスに当たって跳ね返ってくるまで打球を見てもいけない。そうでないと、打者走者も走者もだませない。背面キャッチのあの感覚がここで生きてるのだろうか。
 翌朝、関口宏の番組で(ということはあれは土曜日か)、ダイジェスト映像をみた張本が、「大リーグの選手は足が遅いですねぇ」と、とんちんかんなことを言っていた。あれはたしかに一部始終をみていないとわからない。同じ番組に出ていた達川は、試合を見ていたようで、「あれは、イチローの・・・」と説明しかけたが、手に余ると思ったのか、うやむやにしてしまった。
 だから、これはテレビの一長一短をよく示している。あの日のイチローの試合をテレビで観ていたらイチローのすごさが分かる、が、関口宏の番組だけ観ていたら、「大リーガーは足が遅い」ってことになっちゃう。
 テレビを観た方がいいか、観ない方がいいか、迷うところ。