上原と松坂

knockeye2014-05-04

 今年のゴールデンウイークは、カレンダーが悪くて休みが短かった。個人的には、これは昔からだけど、ゴールデンウイークにさしたる思い入れがないが、このところ、毎年、帰阪することにしているので、あんまり短いと体力的に応える。
 こっちではテレビを観る習慣がないが、両親の家に帰るとテレビを観る。盆と正月に観ればそれでいいといった存在になるのかどうか知らないが、わたしにとってはすでにそういうものになっている。
 去年は、イチローのすごいプレーを観られたのだが、ことしはエンジェルス戦でクッションボールでもたついていた。そのかわり、上原のすごいのを観た。9回の時点で、6点差で勝っていて、上原は出番がないはずだったところを、2点追いつかれて、急遽登板ということになった。
 実は、去年もこういうことがあって、上原がめずらしく激昂したのを憶えていたので、はらはらしたのだが、やっぱり、ワールドシリーズの胴上げ投手となると、立場が違ってくるので、淡々とした態度で投げていた。
 NHKで解説をしている田口壮が「野手みたいな肩の作り方」といった緊急登板だったが、一人目の打者を敬遠気味のフォアボールで歩かせたときに、「調整したのではないか」と、田口は言っていた。
 ひとりめにフォアボールを出して、満塁にして、後続はぴしゃりと抑えた。メンタルの強さがすごいと思った。
 偶然だけれど、このゴールデンウイーク中に、メッツでセットアッパーに回っている松坂が、一死も取れずに3失点したゲームがあった。松坂は、大リーグにカムバックしたこと自体がすごいと思うけど、松坂と上原を較べてみてしまうと、その違いは、結局、甲子園でエースであったかなかったかの違いだと思ってしまう。
 「投手の肩が消耗品であることは、‘意見’ではなく、‘事実’だ」と、大リーグの関係者が語っていた。
 アスリートが、目の前の勝負に入れ込んでしまうのは当然だと思う。だから、そこは連盟の側がルールとして、投手の過酷な登板を避けるようにすべきだと思う。
 投球数に制限を設ける、登板間隔を考慮したスケジュールを組む、そんなに難しいとも思わない。甲子園のあの殺人的に過密なスケジュールに、高野連を取り仕切っている爺連中の、いやらしい嗜好を感じとってしまう。