琳派・若冲と花鳥風月

knockeye2013-09-12

 もうひとつ書き漏らしたことでどうしても書いておきたいことは、先月末から千葉市美術館で開催されている所蔵品展、「琳派若冲と花鳥風月」に、曾我蕭白の「虎渓三笑図」が展示されている。千葉市美術館の所蔵だったわけ。そういえば、「蕭白ショック」という展覧会も千葉市美術館だった。
 あの「虎渓三笑図」については、‘水墨画キュービズムだ’とかテキトーなことを書いて、どこかから拾ってきた写真をこのブログにはっておいたら、ピンタレストの方から、なにやら反応があり、海外のかたにもアピールする絵なのかなと、なんか分からないながら、うむうむという感じ。
 で、せっかく展示されているのだから、紹介しておけば、せめてもの罪滅ぼしになるかと。
 他にも、伊藤若冲の『乗興舟』という絵巻物はかなり面白いものでした。たぶんあれは宇治川を夜船でくだる感じなのかな。若冲って画家は飽きさせない。
 「芒野図屏風」など、鈴木其一もあったけれど、それより、其一が師匠の酒井抱一の没後、菁々(せいせい)其一と名乗ったそうで、まさか「せいせいした」って意味じゃないだろうなとか、ひとり気をもんだりした。
 中村岳稜の「桃」という、色紙大の画面に桃を一つだけ描いたのをみていて、橋本明治とか小林古径とか小倉遊亀とか、このへんの世代のセンスは好きだなという再確認をした。
 今回の図録はなく、所蔵品の図録を買ったけれど、「虎渓三笑図」はなぜか載っていなかったかわりに、長谷川潔の初期の作品で「水浴の少女と魚」が載っていて、これは、横浜の長谷川潔展(延期になったプーシキン美術館展のかわりにおこなわれた)で観て印象に残っている。たぶん、いくつか版があるのだろうか、あのときはうっすらと青がのっていたように思う。