憲法解釈見直しについて

knockeye2014-05-22

 北方四島なんてどうでもいいから、さっさとロシアと親交をむすべとずっといってきたけれど、わたしがそんなこといっても何にもならないのは、そりゃまあいうまでもない。
 今度のクリミアについての日本の態度には、ロシアもほとほと業を煮やしたらしく、とうとう日本を見限って中国との連携に動いている。
 中韓は、経済競争の観点からは、すでに競争相手である上に、先の大戦の被害者という切り札があるんだから、これからも反日の姿勢を変えるはずもなく、アメリカも、健全な財政を回復できずに漂流する日本より、中韓との関係を優先したいに決まっているけど、沖縄の基地だけは手放したくない。だから、アメリカは、日本とロシアに敵対していてもらいたいわけ。
 ロシアと敵対しているかぎり、防衛に関しては日本はアメリカのいいなりになるしかない、事実上のアメリカの属国です。
 今、解釈改憲とか憲法改正とかについて、国内ではうつろな議論が続いているけれど、4月24日の日米首脳会談で、オバマは、‘集団的自衛権行使容認に向けた憲法解釈見直し’を歓迎した。
 私見にすぎないといわれるだろうけれど、それは、クリミア問題で、日本があっさり制裁に加わったことが大きかった。日本はアメリカのいいなりと誰もが思ったはずで、アメリカとしては、これで、日ロ関係にくさびをいれられたわけで、現に、ロシア政府は、日本に対する‘失望’を表明している。
 もしかしたら、クリミア制裁と、解釈改憲歓迎については、取引があったかもしれない。
 アメリカは沖縄の基地さえ使えさえすりゃ、日中韓がもめようがどうしようが、どうでもいいからさ。
 尖閣諸島日米安保の対象と云っているけど、オバマは「レッドラインはない」と公言しているので、‘事実上’何にもしないの。
 解釈改憲なり憲法改正なりなんかで、議論している人たちは平和な人たちだね。だって、それは、どっちにしたって‘手続き’なんだからさ。改憲の手続きで議論しようがしまいが、北朝鮮と対立して、中韓と対立して、その上、ロシアと対立していたら、平和憲法があろうがなかろうが、パワーバランスの問題として、アメリカのいいなりになるしかないじゃん。
 現実の外交姿勢で、アメリカのいいなりを選択している以上、‘戦後レジュームからの脱却’も、そら言以外の何者でもない。
 批判すべきなのは、憲法解釈とか改憲とかの手続き論ではなく、クリミア問題でなにひとつ具体的な行動を起こせなかった外交力のなさなんだと思うんだけど。
 もし、日米が対等な同盟国であるなら、クリミア問題における日本の立場は、米ロの間を取り持てる立場だったと思うし、すくなくとも、外交で国際的な得点を稼ぐつもりがあるなら、米ロの関係改善について、努力のフリだけでもすれば、ロシアも‘失望’まではいわなかったのではないか。
 ロシア政府は、日本外交の独自性には、もはや期待できないと、見たと思うし、現に、クリミアに関して日本の発したメッセージはそれ以外に解釈できない。
 憲法を守るも守らないも、国家の独立があってこそでしょうよ。平和憲法なんてあったところで、結局、朝鮮戦争にも、ベトナムにも、イラク戦争にもアメリカに協力してきた。その事実から目を背けて、憲法云々でよくも長々議論できるなと思って不思議だわ。ていうか、目を背けたいために、そんな議論に時間を費やしているのかもな。
 日本が平和だったのは、米ソ冷戦の構造があったからで、米中が二大勢力になる時代には、日本の立場はやばいと思うけどね。日本が、アフガニスタンとかイラクみたいになりたくないなら、ロシアとの関係を悪化すべきじゃない。地政学的にいって、ロシアと国交を回復して、欧州と連携するパイプを作っておいた方がよいと思うけどね。