新国立競技場をシンガポールの業者が作ったら

knockeye2015-07-11

 前回、書いたあと、安藤忠雄の発言が記事になってたので追記する。「なんでこんなにかかるか、わからへん」っていってるのは、言うまでもなくアイロニーだ。辛坊治郎には、その皮肉が「わかる」と思うからこそそう云ってる。
 この国の「大衆」の意見ってのは、どうなってるのか?、と思わせる、その最たるものは、グリーンピア問題とかんぽの宿問題に対する態度の激変ぶりだった。
 この2つの問題は、時期的にもほとんど同時だし、質的にはまったく同じだった。官僚が、ずさんな計画で、不必要な保養施設を作る。作るときは、建設業者の言い値でバカみたいな高いカネで作る。そもそもの計画がずさんな上に、利益を出すつもりもないから、赤字を垂れ流し続け、やがて破綻して、民間に押し付ける。
 構造としては全く同じなのだが、グリーンピアのときは、作った官僚を非難していたのに、かんぽの宿のときは、なぜか、押し付けられるオリックスと、尻ぬぐいをさせられただけの西川善文が非難された。というか、あれは非難というレベルだったか?。バッシングというべきものだったろう。
 昨日書いたことの繰り返しになるけれど、上記の2つの問題でもそうであったように、この国の建設業者が、公共事業に水増し請求するのは、すでに一般常識のはずだが違うだろうか。今回の国立競技場だけ明朗会計なわけがないだろ。
 今までと違ったところは何かといえば、コンペの段階から、一般市民の目に晒されていた、という点。逆に言えば、グリーンピアでも、かんぽの宿でも、計画段階から国民の目に晒されていれば、今回と同じような批判が起こったかもしれない。
 あほらしいのは、その批判の矛先が、建設業界に向かずに、安藤忠雄ザハ・ハディドに向かっていることだが、それは、日本の大衆の批判が、「叩いたら謝りそうな相手」に向かうということなのだろうと思う。
 あるいは、「あいつに謝らせたいな」と思う相手に向かうようだ。直近の例で言えば、広瀬すずとか、大島美幸に対する批判など、愚にもつかない。「出産シーンを放送するのは、産めない女性に対して配慮がない」という批判に、乙武洋匡

すごい言いがかりだな。『健常者をテレビに映し出すなんて、手足のない人に対して配慮がない!』とか言い出す人が出てきたらどうするんだ(笑)

と反論していた。
 もう一度いうけど、この国の建設業者が、公共事業で何をやってきたか、ホントに知らないの?。たとえば、今回のザハ・ハディドのプランを、そっくりそのまま、シンガポールで建設したらいくらかかるか、やってみたら面白いと思う。
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