「ハートビート」「パコ・デ・ルシア」「ジャニス」

knockeye2016-09-12

 「ハートビート」って映画も観ました。
 これは、「エクス・マキナ」に出てたソノヤ・ミズノが出てるし。
 内容としては「ピッチ・パーフェクト」のバレエとヴァイオリンとヒップホップ版みたいな。ただ、笑いの要素はほとんどなくてそこは残念。その代わり、というのもおかしいけど、ヒップホップの地下鉄のダンスバトルのシーンは、かなりカッコよかったと思うのですけれど、どうなんでしょう?。
 私としてはむしろ、主人公のキーナン・カンパのパフォーマンスより、ワキの‘スウィッチ・ステップス’ってヒップホップのチームとか、ニコラス・ガリツィンとリチャード・サウスゲートのヴァイオリン・バトルとか、そのほうが見応えがあった。
 地下鉄のダンスバトルもそうだけど、脇に行けば行くほどかっこいいつうのはどうなんだろうと。キーナン・カンパは、ロシアのマリインスキイ・バレエ、ソノヤ・ミズノは、イギリス・ロイヤル・バレエに所属した本格的なバレリーナなのに、バレエのパフォーマンスは、控え目だった気がする。
 ストーリーは何つうことないんだけど、クリスティーナ・アギレラの「バーレスク」とか、ああいう映画が楽しめる人は、これけっこう好きだと思います。
 それから言うまでもなく、ソノヤ・ミズノもキーナン・カンパも超がつく美形ですし、ニコラス・ガリツィンは、男が見ても、そりゃモテるでしょうよってイケメンです。つまり、いい男といい女が、歌い踊るっつう映画ですわ。
 音楽映画つながりでいうと、「パコ・デ・ルシア」も観ました。パコのフラメンコギターが圧倒的。だけど、映画は、パコが急死してしまって、「え」っという終わり方の気がします。未完な感じがします。
 奇妙に記憶に残ったのは、あるテレビのインタビューで、
ギターにとって「右手と左手、どちらが重要ですか?」
と聞かれて
「音楽を作っているのは左手だ」
と。
 奇妙な質問、奇妙な答え。でも、このやりとりが批判されて、スペインにはいづらくなったようです。
 エイミー・ワインハウスがドキュメンタリーで言ってたんですけど
「私を知れば世間は理解するはずよ。私は音楽しか才能がない人間だって。だから、放っといて。音楽をするから。音楽をする時間が必要なの。」
 「ジャニス:リトル・ガール・ブルー」って、ジャニス・ジョプリンの映画も公開されましたね。その映画評がニューズウィークに出てました。
 批評の要点は、ジェイ・ウィテカー、ペギー・カサータというふたりの同性の恋人について、ほとんど触れていないのは、ちょっとどうなんだろう?ってことみたいです。
 特に、ペギー・カサータとの関係は、すべての男性の恋人より長く続いたのに、一瞬登場するだけだと。
 ジャニス・ジョプリンは、たぶん、アメリカでは神格化されているかも。それはまあいいとして、神格化されているアーティストの同性愛を避けて通ろうとするのは、たしかにちょっとどうなんだろうと思って、うーんとなってるところ。
 ニューズウィークは、ジャニス・ジョプリンについての、よりリアルな評伝として、アリス・エコルズの『甘き楽園の傷』を紹介している。
 それによると、男性の恋人デービッド・ニーハスは、「ジョプリンとカサータが一緒にベッドにいるのを見て逃げ出した。」
 ニーハスが「私を無理矢理お堅い女にしようとしている」と、ジャニスはぼやいていたとも伝えている。