ジャック&ベティのシートが新しく

knockeye2016-09-19

 そういえば、横浜ジャック&ベティでは、シートの入替だそう。綺麗なブルーのシートになるようだ。
 ジャック&ベティのシートについては、ちょっと憶えていることがある。ジャックの方なんかシートが歯抜けになっていた。あるとき、背もたれの布が破れて綿がとびだしていたのを、なんとなくブログで書いたら、その次訪ねた時には、キレイに直っていた。
 正直言って、場末の映画館と思っていたので、シートが破れていようが気にもしていなかったのを、ここの館主さんは、ちょっと違うらしいと気がついたことだった。
 ジャック&ベティを初めて訪ねたのは是枝監督の「歩いても歩いても」だったと思う。「幻の光」と二本立てだったが、レイトショーで遅くなるので「歩いても歩いても」だけ観て帰った。当時、黄金町界隈はあまり遅くまでいたくない不穏な雰囲気がまだ残っていた。
 濱マイク大回顧展のときに知ったのだが、ジャック&ベティの向かい、今はライオンズマンションになっているところが、濱マイクが二階に探偵事務所を置いていた映画館だったそうだ。ジャック&ベティも繰上和美監督の「ゼラチンシルバーLOVE」に使われている。
 かつては青線地帯だった、そんな街の名残りが失われていくのを惜しむのはばかげている。しかし、最近なんとなくジャック&ベティに足が向かないのは、そういう病後の残り香みたいなものを、かつては嗅いだ気がした、自分自身に対する気恥ずかしさみたいなものがある。
 ジャック&ベティの努力もあってか、最近あのあたりには、シネマリン、ニューテアトルとあわせて映画の街みたいな雰囲気になりつつある。映画がまだ斜陽産業だった時代から、いま、なんとなく未来が明るくなりつつあるのを見るのは、なにか面映ゆい気持ちもある。
 結局のところ、映画館の暗闇に身を隠したいというのが、私が映画を観る最大の動機であるらしいのは、我ながらどうにも困ったものかも。
 そういう他人には理解不能だろう理由で、なんとなくジャック&ベティには行きにくくなっている。たとえて言うと、幼なじみが働いている風俗みたいな感じなのだ。
 神奈川では、ジャック&ベティしかやってない映画も多くなってきたので、つらいんですけど。