ワタリウム美術館のナムジュン・パイク展が、後期展に展示替えになった。
前期展は、どちらかというと、ジョン・ケージと関わりのある作品が多かったが、後期展は、それに比較すれば、ヨーゼフ・ボイスに関する作品が多い。ワタリウム美術館と親交の深まった時期でもあるのか、展示作品が充実している。ナムジュン・パイクを回顧するといったとき、この充実した内容で展示できるのは、ワタリウム美術館だけかしれない。
図録は、前期展のとき、すでに予約してある。テキストの情報も多く展示されているが、どれも面白く図録が届くのが楽しみだ。この図録はAmazonでも手に入るので、興味のある方は手にとってみられてはいかがかと。
ナムジュン・パイク 2020年 笑っているのは誰 ?+?=??
- 作者: ワタリウム美術館,渡辺真也(解説)
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2016/10/27
- メディア: 大型本
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ところで、このブログの記事は、書いては放り出し、また書いては、寝落ちし、といったぐあいなので、数行前とこの行の間に何日も日が開いているばあいがあることをご了承願いたい。実は、いま、図録が届きました。
ぱらぱら拾い読みをしただけでもかなり面白い。遠くて展覧会に来られないひとでも、この本は手に入れる価値があると思います。
インターネットの世界がうす汚れてきてしまった今、ナムジュン・パイクが輝いて見えるっていうのは、もしかして、インターネットの普及した世界の広さよりも、ナムジュン・パイクの射程距離は遠かったということかもしれない。まだ、弾が落ちていない。まだ届いていない感じがある。
ネット社会が具現化したか、しつつある今、ナムジュン・パイクの思い描いた理想のほうが美しいとしたら、そのデザインが美しいのでしょう。「もし、閻魔大王に、現世で何をしたのかと問われて、『グッド・モーニング、ミスター・オーウェル』をしましたといったら、天国に行けそうな気がする」って、でかく書いてありました。
ところで、図録の「グッド・モーニング、ミスター・オーウェル」のページを観たら、オノ・ヨーコに誘われて、ビートルズのスタジオを訪ねた時のことが書いてあった。ナムジュン・パイクは、音楽家としてキャリアをスタートしているから、その意味でも、クロスボーダーなんですね。
ビデオ・アートを作ったきっかけは、ドイツのアパートでトイレが詰まった時、もう物質と付き合うのはこりごりだと思ったらしい。
この展覧会がここだけなのは残念。なんか撮影可だったので、少し撮ってきました。東京に来る機会があったら、観に来たほうが良いと思う。図録を手に入れて、観たくなったら、わざわざこのためだけにでも来る価値はあるかもよ。