首相だった菅直人が、子ども手当について「〇〇効果はどうなんですか?」と、国会で質問された時、その「〇〇効果」って言葉を知らなくて恥をかいたことがあった。
この〇〇に入る漢字を今でも憶えている人がいたら、それは、記憶力の良さを自慢していい。というのは、そのあと、そんな言葉をついぞ見かけないのだから、質問する議員に官僚が吹き込んだ言葉に違いないわけだった。
これは、シンボリックな例だが、もっと深刻なのは、鳩山由紀夫が沖縄の基地移転を公約にして、圧倒的な賛同を得て選挙に勝ったにもかかわらず、それが実現できなかった。となれば、もはや、主権者が選挙民だと言えるのかという、民主主義の根幹にかかわる問題になる。
本来なら、選挙後すぐにオバマと鳩山由紀夫ふたりきりでとことん話し合うべきだった。その結果、公約が実行できなかったのであれば、まだしも納得がいった。なぜ防衛省の意向を忖度する必要があったのか。
安倍政権は、官僚の人事権を握って、官僚に対して強い力を持っているはずだった。福田康夫元首相が、安倍政権を批判して「今の官僚は、政権の方ばかり見ている」と、意味不明なことを言った。
福田康夫は、元首相のはずだが、じゃあ、何ですか?。官僚が政権の方を向いていない方がいいの?。官僚に「こっち見ないで」って言ってる内閣がまともな仕事できます?。
しかし、官僚は、内閣の力が強いと、今度はサボタージュを始める。森友問題における近畿財務局、働き方改革における厚生労働省などは、「忖度」とか何とかそういう問題ではない。文字通りの「面従腹背」で、もう完全に政権潰しにかかっている。
で、失望したのは、これについての立憲民主党を始め、野党のスタンスが、これを政争の具にしていることである。
明らかに、官僚の問題であるにもかかわらず、これを安倍政権攻撃の材料にしようとしていては、まんまと官僚の思惑通りだろう
世の中右傾化しているとかいうと尊敬されるらしいのだけれど、その右傾化しているはずの国民が、民主党に308議席を託したんです。あのとき国民は圧倒的に民主党を支持したんですよ。
にもかかわらず、選挙から一週間も経たないうちに、公約を反故にしたのは誰か?。
「脱官僚」ってことを言ってたはずである。
名前は変わったとは言え、立憲主義をいうなら、官僚の尻馬に乗らないでほしい。
そんなことで政権を獲ることがあったとしても、また同じことの繰り返し、官僚にいいように扱われておしまい。
その反省をしていないのが、なんかすごく情けない。