『マリッジ・ストーリー』観ました

 あつぎのえいがかんkikiってところは、NETFLIXの映画をさかんに大画面でみせてくれるので、最近、よくでかけている。
 『アイリッシュマン』も観たのだけれど、それは、

cinefil.tokyo

ここに東京国際映画祭での詳細なレビューがあるので一読されるのがよい。

 というわけで『マリッジ・ストーリー』について。これは『ヤング・アダルト・ニューヨーク』のノア・バームバック監督作品。『スター・ウォーズ』のカイロ・レン役で有名になったアダム・ドライバーがどちらにも出演している。私がいままで観たアダム・ドライバーの映画の中では、『ヤング・アダルト・ニューヨーク』がいちばん好きだと思う。他と違って、ちょっと胡散臭く、ちょっとふてぶてしい。それが、ペン・スティラーとの化学反応を起こしてすごくいい。ジム・ジャームッシュが撮った『パターソン』もよかったけど、アダム・ドライバーらしくない雑味みたいのが『ヤング・アダルト・ニューヨーク』にはあって、そこが好きだった。
 『アイリッシュマン』のマーティン・スコセッシの場合も、とにかくネットフリックスは、いけいけどんどん、鎧袖一触、日の出の勢いらしく、監督にカネの心配をさせずにやりたい放題やらせているので、作家性がもろに出ておもしろい。
 『マリッジ・ストーリー』のアダム・ドライバーは、ニューヨークの前衛演劇の演出家、スカーレット・ヨハンソンは、LAの芸能一家にそだった元テレビ女優で、いまはアダム・ドライバーと結婚して劇団の看板女優になっている。このふたりの離婚をめぐるあれやこれや。
 Wikipediaノア・バームバックの経歴を見ると、この離婚劇が、ある程度は監督自身の経験に基づいているんだろうと想像させる。ていうか、そうなんだろう。じゃなきゃ、アダム・ドライバーが突然歌ったりしないでしょう。
 離婚を経験した人は切実に思うかもしれない。本人どうしは、結婚を解消しようとしているつもりなのに、離婚という、望んでもいない未知の経験をすることになる。
 『夕陽のあと』にもいえると思うが、子役は扱い方がとても難しいらしい。改めて、是枝裕和の子役の使い方はすごく上手いんだと納得させられた。
 アダム・ドライバーと『スター・ウォーズ』で共演したローラ・ダーンが弁護士の役で出ている。リース・ウィザースプーンの母親を演じた『わたしに会うまでの1600キロ』が良かった。J.J.エイブラムス版のスター・ウォーズは、オスカー・アイザックといい、『スター・ウォーズ』らしくないキャスティングが面白い。
 オスカー・アイザックといえば、ジョージ・クルーニー監督、コーエン兄弟脚本の『サバービコン』が、個人的には「超」面白かったのだが、評価がさんざんだったのが悔しい。コーエン兄弟ジョージ・クルーニーの映画では『ヘイル・シーザー!』『バーンズ・アフター・リーディング』より『サバービコン』が飛び抜けて面白い(と私は思う)のだけど不思議。
 ノア・バームバックがネットフリックスで撮った映画では、前作の『マイヤーウィッツ家の人々』の評価が高い。もしかしたら配信のみだったのか、カンヌで物議を醸した作品で、見逃したのは残念だった。