「今夜が山だ」と言われたクドカン

 宮藤官九郎が新コロナウィルスに罹ったってニュースは、どのくらい世間の耳目を集めたものか、テレビを見ないので、その感じがわからないが、ともかく、志村けんさんと同じくらいの時期に感染がわかったタイミングもあってか、志村けんさんの急逝のショックでちょっと忘れてたような空気もあった気がするが、ともかくさいわい軽症で順調に回復しているって、今週のコラムに書いていた。
 それでも、軽症と言ってもインフルエンザよりずっとつらい、特に高熱の期間が長いのがつらいそうで、担当医に「今夜が山です」と言われたときは、「このセリフ、ホントに言うんだ」と思ったそうだ。

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今夜が山だ

 個人差もあると言うけれど、アビガンが効いて、今は自宅で経過を見ているとか。
 クドカンさんは、星野源が、大人計画でいちばんすごいと思う役者に名前を挙げていた。
 三島有紀子監督の『幼子われらに生まれ』のクドカンはすごくよかった。今、cinema discoveriesという独立系映画の配信サービスにラインナップされているので、もし見逃された方はご覧になってみては。
 まだスタートしたてのサービスらしいが、ミニシアター救済企画も準備中だそうだ。
 また、想田和弘が配給会社「東風」と組んで「仮設の映画館」と言うのを始めた。
 とりあえず想田和弘の新作「精神0」を載せて走り始める。
 観客の立場からするとAmazonNetflixで観るのと同じく、自分とこのネット環境で観ることになる。違うのは、観たい映画を選択すると同時に観たい映画館も選択する。そして、通常の配給と同じように製作、配給、劇場で利益を分け合うというシステムであるそうだ。
 まず大前提として、国がちゃんとした休業補償を出さないことが大問題だ。クールジャパン関連予算はどこに消えたのかと思う。
 しかし、ここではそれには触れないことにして、もうひとつの問題は、こうして仮想の映画館で映画を見ることができるとなると、はたして映画館という場が映画にとって本質的なのかどうかという問いに、映画館と映画がさらされることになることである。
 個人的な思いとしては、映画館こそが映画であるが、今のような事態になれば、すべての映画館が仮想に置き換えられるのも事実である。
 このコロナ禍が過ぎ去ったあと、ミニシアターが生き残ることができたとしても、映画館という場が、映画にとって本質的な場なのかという問いは、今後も有効な問いであり続けることになったと思う。
 その意味で、新コロナウィルスは時代を変えてしまった。それは間違いないんだろう。クドカンだけでなく、映画も「今夜が山だ」と言われてるわけである。
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