イ・ヨンスさんが「水曜集会はヘイト」と言ったそう

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 ミキ・テザキ監督の『主戦場』の冒頭に出てきた元慰安婦のイ・ヨンスって人が上の記事のような発言をしたようである。
 『主戦場』では、日本政府と合意した韓国の外務大臣をつるし上げていた。日韓の合意を破棄させようとするその姿は、海峡のこちら側から見ると、ヘイトそのものだったが、その人が、毎週水曜日に日本大使館前で行われている集会を「ヘイトを煽っている」と批判したそうだ。
 あの集会を主催している団体は「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連)と称しているそうだが、もとは「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」と言っていた。この名称はこの団体の発足当時「挺身隊」と「慰安婦」の区別がついていなかった歴史の痕跡である。そのころから主張が一貫しているなら名称も変えない方がよいと思うがどうだろうか。
 あの『主戦場』を観た人は気が付いたかもしれないが、20万人という慰安婦の数の算定根拠があいまいだった。女子挺身隊の数=慰安婦の数としていたのでああなったのではなかったかと記憶している。
 日本の役人みたいに、彼らも無謬性に固執していて、自分たちが間違っていたということは断じて言わない。で、20万人という数は変えない。その根拠がつごうにあわせて変わっていく。
 日本政府は何度も謝罪している。その都度、韓国側も合意しているが、そのたびに、合意が破棄される。
 これも、上の事情と同じく、「謝罪→合意→合意の破棄」がセットなのだ。理由は後付けにすぎない。
 細かくおぼえていないが、アジア女性基金がつぶれたときの破棄の理由はたしか「日本政府が慰安婦問題への関与を認めない」ということだったと記憶していたので、あの映画『主戦場』でもそういう主張がされるのだろうと思っていたら、あの映画では「閣僚が靖国参拝するから」という根拠になっていた。
 第二次大戦中に慰安婦が存在していたのは間違いないし、それは、旧日本軍が行ったあまたの残虐行為のひとつであることに何の異存もない。
 だから、それについて日本国が謝罪するについても何の異存もないし、現に謝罪もしているが、トラックで何十万人も連行したとか、何を根拠にいっているのか分からないことについて認めなければならない理由はないわけで、謝罪できることについては謝罪しているものを、無理な謝罪を強要するのはもちろんヘイトだろう。
 それは、今に始まったことではないのだが、どういうわけで、あのイ・ヨンスさんが、あの水曜集会がヘイトを煽っていると急に言い出したのかはほとんど分からない。
 元挺対協の代表が国会議員に当選したそうで、それが関係あるのかもしれない。