オリンピック不参加の呼びかけをしたいと思います

 ライゾマティクスを観た東京国立現代美術館で、同時開催されていたTokyo Contemporary Art Award 2019-2021 受賞記念展も観た。
 受賞者のひとり風間サチコって人が展覧会に寄せた「魔の山考(菩提樹によせて)」という文章が面白かったのでリンクしておく。

tokyocontemporaryartaward.jp

 読むうちに

忘れもしない3月25日の夜8時。友人宅で家飲みをしている最中に、小池都知事の緊急記者会見の放送が始まった。「都内での新型コロナ感染者が41人確認されました。これは感染爆発の重大局面と言えます。今後は週末の外出をお控えくださいますよう、都民の皆様に強く要請いたします」という緊迫感あふれる声明で(いま思えばたったの41人だったが)

という部分があった。
 まったくたった41人の感染者で自粛要請して飲食店も映画館も美術館もやみくもに閉めてしまう大慌てぶりだった。
 今、大阪ではどうなってる?。連日1000人を超える感染者を出している。その最中に、「コロナを克服した証しとして」とか言ってオリンピックの聖火が走り始めている。
 去年の夏頃には、外国の高官から日本の感染者の少なさについて尋ねられた麻生太郎が「日本は民度が違う」という見当違いな返答をして、相変わらずのバカっぷりを披歴していた。
 感染の第一波の段階では日本の感染者が何故か少なかったのは確かだった。ところが変異種の登場により、第一波のころに欧州を襲ったようなパンデミックが日本を襲おうとしている。
 英米ではワクチンの接種が急ピッチで進み、文字通り「コロナの克服」へと向かっているのと対照的だ。
 この間、いったい日本の行政は何をしていたのかわからない。民度の高い国民という幻想にあぐらをかいて、自粛を要請しただけ。ろくに補助金も出さない。コロナによる失業者は10万人を超えている。ワクチンの接種率は英米の40%超えに対して日本は1%に満たない。
 この英米との差については、今度は外国の高官は電話をかけてくることもないだろう。尋ねるまでもない。日本の行政が先進国の中で飛び抜けて無能というだけ。
 まるで「アリとキリギリス」のキリギリス役を、政府に無理やりやらされているような気分だ。
 オリンピックは、IOCのバッハ会長が頑として開催を譲らない。おそらく責任を東京都に丸投げするつもりだ。しかし、今開催すれば悲惨な結果は目に見えている。日本人としては世界各国のアスリートに不参加を呼びかけるしかない。絶対に来ないでください。