『シン・ウルトラマン』についての評いくつか

 みのミュージックのみのさんとライムスター宇多丸さんがともに『シン・ウルトラマン』についての評を上げていて、私が分からなかったあの画角だけど、あれは実相寺昭雄の画角だそうだ。
 映画の後半についての評価はおしなべて辛い。岡田斗司夫は退屈で寝たそうだ。なるほどそうかも。ただ、原作があることだし、そのリメイクとしては充分に合格だろうし、作品全体の評価は悪くなかった。
 ウルトラマンが地球人を助ける意味がわからない、については、それは、オリジナル当時からわからんのであって、というか、ご都合なのであったが、前にも書いたように、ウルトラマンは意識的にか無意識にかしらないが、在日米軍の比喩なのだ。
 じゃあ、何で在日米軍は日本を守ってくれるの?。ウルトラマンが地球を守る意味がわからないって評価が多くなるってことは、1966年当時は考えられなかったんじゃないだろうか?。
 今では誰も在日米軍が日本を守ってくれるとは思っていないだろう。米軍が沖縄の基地を手放さないのはアメリカの国際的な防衛戦略からくる要請にすぎないと、事実はどうあれ、そう思っている。で、何故ウルトラマンは地球を守るの?という疑問になるんだろう。
 ぶっちゃけウルトラマンが地球を守るのは、カラータイマー、スペシウム光線と並んで、作劇上のお約束にすぎない。カラータイマー、スペシウム光線については何とか処理したシン・ウルトラマンであったが、地球を守る動機についてはうまくいかなかったというところか。
 ただ、ウルトラマン自身が、地球人が気に入ったって言ってるんだから、シナリオ上の破綻はない。それを信じられない観客の側がひどく懐疑的なだけとも言える。確かに、メフィラス星人の言うように、地球が生体兵器のファームとして有望だとする方がリアリティがあるのだろう。つまり在日米軍のホンネとしては、ウルトラマンよりメフィラス星人が近いはずだと、今の日本人は思ってるということだろう。
 憲法9条は日米安保とセットだから、1966年当時とは日本人の意識は変わったことになる。憲法改訂についての意識の変化もこれを裏付ける。
 しかし、日本会議あたりの日本の右側のいう憲法改訂は、在日米軍を残そうとしているので、これは国民の意識と異なる。つまり左右共に国民の意識と乖離していることになるだろう。別に驚かないが。


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