2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『ファントム・スレッド』

ダニエル・デイ・ルイスの引退作。 ダニエル・デイ・ルイスが辞めると言い出したのはこれが初めてじゃないそうで、Wikipediaによると、1998年には「靴職人になる」と、貴乃花の息子みたいなことを言い出して、実際にイタリアで靴職人の修行をしていた。マー…

杉田水脈はどう恥ずかしいか?

杉田水脈って自民党の議員がバカなことを言って話題になっているが、これについての議論に加わるつもりがないだけでなく、こんな議論が、行われていること自体が恥ずかしく、できればなるべく人目に触れないうちに処理したほうがいいと思う。 正しいとか間違…

『ブエナ、ビスタ・ソシアル・クラブ ★ アディオス』

『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』がもう18年前だそうだ。 オバマがブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブのメンバーと会って、「若い人たちは知らないかもだけど、CDと言って、このくらいのプラスチックの円盤があって・・・」と、これは冗談なんだけど、そ…

ビーマイベイビー Mitsuo Shindo Retrospective

万城目学が週刊文春に書いていた。若い頃、海外の宿で深夜テレビを観ていたら、なぜか、韓国のヒットチャート、日本のヒットチャート、アメリカのヒットチャートが紹介されていて、そのとき、身びいきなしで、日本のヒットチャートが断然魅力的だと感じたそ…

『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』

『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』は、ビリー・ジーン・キングを演じたエマ・ストーンも、もちろん素晴らしいが、なんと言っても、ボビー・リッグスを演じたスティーヴ・カレルが圧倒的。『30年後の同窓会』で、イラク戦争で息子を亡くしたベトナム帰還兵を…

『私はあなたのニグロではない』

このタイトルの意味が最初は曖昧だったが、なるほど「ニグロ」は、白人が作り上げた架空の概念で実際には存在しない。白人が、木に吊るしたり、「ニグロ」を殴っているとき、実際に殴っている相手は人間なのだ。 木に吊るされているのはモノクロームの写真だ…

『菊とギロチン』

ついこないだ『パンク侍、斬られて候』を、今年いちばんの映画と書いたばかりなので、われながらさすがに節操ない感じだが、瀬々敬久監督の『菊とギロチン』は、そのさらに上をいってると思う。 女相撲の興行が1960年代くらいまで存続していたなんてことを初…

小沢一郎、豪雨対策で国会休戦を求める

無力感に襲われてる場合ではないだろうが、今のところなす術が見当たらない。 水害対策の初動に躓いたってようなことだが、いったい何度こんなことを繰り返すのか、こういう時に作動するシステムを整えようといったことがまったく行われない。また、自衛隊と…

『ブリグズビー・ベア』

サタデーナイトライブてふアメリカの老舗コメディ番組があり、そこに出演しているコメディアンたちが作ったパロディ映画。 アメリカではどうなのか、少なくとも日本では、テレビと映画のあいだにはけっこう深い溝があるみたいで、テレビで慣れ親しんでいるコ…

『告白小説、その結末」

ロマン・ポランスキー監督、オリビエ・アサイアス脚本。 エマニュエル・セニエの演じる女流作家が主人公。出版したばかりの小説が好調だが、自伝的な内容のために、家族から責められるし、彼女自身も、いわゆる「過去の亡霊」に悩まされて、次回作に取り組ま…

『名前』

津田寛治は、映画を観ていてこの人が出てたら得した気がする役者さん。『名前』は、その人が主演なんで、何はともあれ観ておけばいいの。 あと、『恋人たち』の池田良も出ていて、これも得した気がした。ただ、悪いとこから先に書くのもどうかと思うが、池田…

『女と男の観覧車』

ケイト・ブランシェットに米アカデミー主演女優賞をもたらした『ブルー・ジャスミン』は、時代設定が現代になっているせいで気づきにくいが、テネシー・ウィリアムズの『欲望という名の電車』が本歌取りされていたようだった。 もう、5年も前のことなので忘…

ルーヴル美術館展 肖像にテーマを絞った展覧会

ルーヴル美術館所蔵の肖像にテーマを絞った展覧会。 ちょっとしたついでに立ち寄っただけなんだけど、面白かった。特に、死と記憶のための肖像についての展示は、さすがにルーヴルだけあって厚みがあった。 これは紀元前16世紀ごろ、エジプトで埋葬されたミ…

『心と体と』

是枝裕和監督の『万引き家族』は、どうやらメガヒットになりそうな気配だが、『万引き家族』がカンヌのパルムドールなら、イルディコー・エニェディ監督の『心と体と』は、ベルリン映画祭の最高賞、金熊賞を受賞したのだから、もうちょっと脚光を浴びてもよ…

『パンク侍、斬られて候』ネタバレとまでいえない

石井岳龍監督、宮藤官九郎脚本、綾野剛主演『パンク侍、斬られて候』は、今までのところ、今年観た日本映画のNO.1かもしれない。小津安二郎監督の紀子三部作とどうかと言われると困るが、あちらは封切りが今年じゃないという逃げが効くし、『万引き家族』と…