エリザベス・キューブラー・ロス

このところ、読書する時期に入っているようだ。今日は、エリザベス・キューブラー・ロスの自伝、『人生は廻る輪のように』を読んだ。
人生は廻る輪のように (角川文庫)

若い頃の話は、今春の「自己責任騒ぎ」と比較してほくそえんでしまう。人質バッシャーは、目を回すだろう。父親に逆らって医師を目指しながら、第二次大戦終結前後の戦場にボランティアとして赴く。しかも、金がないので、スイスからポーランドまで、ヒッチハイクで出かける。まだ医者じゃないのに医療活動をする羽目になっている。麻疹の赤ん坊を抱えて訪ねてきた女のエピソードは印象的だ。


ところで、蝶というのはやはり、洋の東西を問わず、霊魂の象徴であるようだ。戦後間もないユダヤ人収容所跡に、壁に刻まれたおびただしい蝶の絵を見ている。


後半のオカルトチックなところは、判断を保留しておく。とにかく、彼女がそういうことにも偏見を持たなかったということとだろう。人がそういうことに興味を持つときは、気持ちが後ろ向きになっていることが多いが、彼女の場合は、科学者の冷静さを感じる。ということは、別の見方をすれば狂気だが。後に明らかに詐欺師とわかり、何度か殺されかけている。

エイズ感染児のためのホスピスを建設しようとして、地域住民に放火され私財を失った。1994年、ついこないだだ。

「存在の唯一の目的は、成長することにあると信じている」この人も恐るべき女だ。