大阪万博展

なんば高島屋大阪万博の展覧会を見に行った。ここのところ、ちょっと昭和を懐古するながれが世間一般にもあって、これもその流れの一部らしいが、そうでなくても大阪万博の印象は強烈だったなぁと思い返した。6500万人近い入場者だったそうで、去年の愛知万博が3千万人に達しないことを思うとインパクトの大きさがわかる。
大阪万博は現在のオタク文化の源流だという説を聞いたことがあるが、けっこう説得力があった。「未来的」という言葉で未来を肯定的に捉えようとすると、いまでもこの時点まで戻ってそこから未来を展望しているのかも。現時点2006年から未来を見てもビジョンが見えない。少なくとも、未来を具体的なイメージにして提示した強烈さはあったと思う。
どういうわけか、会場の出口に『フィギュアの群像』という写真ムックがおいてあった。大阪万博と美少女フィギュアは何の関係もなさそうなものだが、すでに高島屋も先の「大阪万博=オタクの源流」説を採用しているらしい。
瞳〈no.9〉フィギュアの群像―原型師たちのガレキ芸術
好悪はおいておいても、この美少女フィギュアなるものは、いま間違いなく現代日本文化の本流である。根付や浮世絵と美少女フィギュアに価値の違いはない。同人誌のコミケの動員力はもはや国家規模である。茶道具や掛け軸が廃る一方で美少女フィギュアが流行る。これはまったく正しい。