20年ぶり

会社の近くの蕎麦屋さんで親子丼とそばを食った。駐車場にかわいい猫が棲みついている。どうかわいいかというと、まず、しっぽがボブテールである。しっぽが長い猫も女性的できれいだが、しっぽが短いと、からだで感情を表現できない分、顔に表情が出る気がする。
さらに、毛色がいい。全体に黄色っぽい明るい茶色で、口のまわりだけほんのり白くなっている。
そして、からだがなんだか丸っぽい。抱き上げたら、毬みたいになるだろうと思う。
この猫がどうやら子供を産んだらしく、今日は.3匹の子猫と一緒だった。『遠い山なみの光』を読んだ後だけに、元気に育ってほしいと思ったわけだった。
せめて猫を飼うためだけにでも、一軒家に越すべきかも知れない。あるいは、猫が棲みつく庭のためだけにでも。
車に乗らなくなって一年三ヵ月が過ぎたが、車のない生活は実に快適。車に乗らないだけで年間60万以上の経費が浮くという話だ。60万あれば軽が買える。一軒家の家賃に当てたっていいんだ。
NHKが受信料を取りにきたので、払うことにした。取りに来てくれれば、払う気満々なんだが、わざわざこちらから払いに出向きはしない普通の日本人。NHKの集金人との出会いは、ほぼ20年ぶりか、もっとかもしれない。彼がなぜ私を訪ね当てたのか。たぶん、新聞を取り始めたのとリンクしているのかもしれない。新聞もたぶん20年ぶりくらい、いや、これももっとか。
しかし、新聞を読まないからといって、テレビを見ないわけではないのに、なぜ彼らはこの二十数年間、私を訪ねなかったのだろうか?今日来た人はちょっと春日三球に似ていた。
その人の懇切丁寧な説明では、ここは基地に隣接しているので、受信料が半額になるそうだ。基地があることは知っている。軍用機がすごい低いところを飛んでいるから。でも、この目で見たことはない。物見遊山でいけるところなのだろうか。