
- 作者: 梯久美子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/07/28
- メディア: 単行本
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正直言ってわたしは太平洋戦争をリアルに感じることはできない。わたしの世代でそれをリアルに感じることができるという人がいたら、間違いなくうそつきである。だが、遺族が戦死公報で呼び出されて役所に行くと、お骨を引き取るのに手数料100円取られたという話には無性に腹が立った。戦争の悲惨さがこちらの想像力をはるかに超える一方で、この話はあまりにリアルで、あまりにいやしい。こういういやしさだけが生き残るのかと思うとひどく悲しい。