- 作者: 大川周明
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/08/06
- メディア: 文庫
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われながらなんでこんな本を読んでいるのか意味が分からない。
大川周明というひとはたぶんとてつもなく頭脳明晰な人であったと思うのだけれど、イスラム諸国家と戦前の日本と、更には大川周明その人自身のその後の成り行きを考えると、個人的な感想としては、アホらしいとしか言いようがない。
論点としては、政教分離の問題。つまり、政治と宗教が一致している方がよいのか、分離している方がよいのか。イスラム国家と戦前の日本は宗教と政治が未分化であった。で、結果はどうなった?
奇しくも現在の自公政権は、政教未分化政権である。公明党=創価学会だし、自民党にいたってはいまだに国家神道を信奉している。さて、彼らの並べる美辞麗句に未来を託すべきかどうか。私自身についていえば考慮の余地はない。
全知全能の政治家と宗教家がいるならば、政治と宗教が一致していても何の問題もない。というよりむしろ、その場合は両者は自然に一体となるだろう。しかし、せこせこ納めた年金を、目の前でだまし取られているのに、どうしてそんな夢想に耽られるのか。
私の意見としては、政治と宗教を分けて考えられない人間は、現実を見る勇気も、理想を希求する純粋さもない、ただのぐうたらだとしか思えない。