knockeye2009-03-15

一日じゅうユニクロのスキニーフィットテーパードを穿いていたので下半身の血が止まっている。
海老名のドトールでソイラテを飲んだ後、ぶらぶら歩いて綾瀬の自分のアパートにたどりついてしまった。
うららかな散歩日和。辛夷の花は少しすがれて、菜の花が咲いている。
先日書いたように、山種美術館で桜の絵の展覧会をやっているので、春のいそぎ、少し早めの花見をしてきた。
一番気に入ったのは奥村土牛の「醍醐」。白壁の照り返す春の日を背景に満開の枝垂桜が咲いている。
小林古径の「桜花」という絵もよい。ヤマザクラの可憐なひと枝。日本人がただ「花」というときはこの花をさしてきた。
「しき島の やまとごころを 人とはば 朝日ににほふ 山ざくら花」
さしそめたかすかな陽を浴びて、ほのかに匂うヤマザクラの花。ソメイヨシノのように豪華ではないが、小さな赤い葉と一緒に花が咲き、春を告げる花である。
日曜の朝、都心はとても静かだ。雲ひとつなくそのまま帰るのが惜しい晴天だったので、ついでに損保ジャパン東郷青児美術館の選抜奨励展(第28回)にも足を運んだ。
これはどういうものかというと、損保ジャパン美術財団が数多ある公募美術団体展に「損保ジャパン美術財団奨励賞」というのを毎年授与しているそうで、その受賞作を一堂に集めるとともに、全国の推薦委員が推薦した作品も併せて展示しているそうだ。
受賞作品だけあってどれもいい絵だが、今、気になるのは篠原愛のようなものになってしまう。今始まったばかりの世界という気がするので。この先にどんな可能性があるのかわからないワクワク感がある。

國司華子の猫の絵もいいけれど、私は猫が好きなので、その部分いくぶんさっぴいて考えなければならないし、抽象の作品もよかったけれど、今という時点にたつと、抽象画は具象画より保守的に見えてしまう。展覧会の賞のその先に何かあるかわからない気がする。
でも、繰り返しになるけれど、受賞作品だけあってどれもいい絵だった。レベルが高いよね。ただ、アーティストとは貪欲なもので、レベルが高いとかいうことを目指していないですからね。たぶん。
さて、それを見終わってもまだぬけるような青空。
どうしようかと思ったのだけれど、まあ、帰ることにしました。
それで海老名駅から、いつもは通らない道をぶらぶら歩いた。
ひさご塚古墳などというのを見つけてのぼってみたりした。
そのうち郵便局が見えてきて、「海老名郵便局かな」と思ったら綾瀬郵便局で、そうなるともう自分の部屋から徒歩圏内。
こんな天気だとそれだけ歩いても汗もかかない。こんな日には悪いことなんて起きそうにない。さいわい花粉症でもないし。