礒江毅

それから、隣り駅の平塚美術館で礒江毅の展覧会。
1974年、19歳でスペインに渡り、彼の地で活躍した。
この美術館は、長谷川潾二郎を観に来たところだと気がついた。
もしかしたら、この美術館の学芸員さんが、こういう透徹したリアリズムの画家に思い入れがあるのか知れない。
作品のひとつに
<鮭"高橋由一へのオマージュ>
というのがあった。そういえば、長谷川潾二郎のときに、ふと高橋由一が思い浮かんだのだった。
静物が多かった。
静物画は、モチーフを選んで並べることに、それを絵に描くと同じくらいの重さがある。モチーフを選んでそれを並べた時点ですでに象徴画だと思う。
そして、絵を描くということは、つまり‘線を描く’ということなのだ。
人が少ないのがめっけものに思える、よい展覧会だった。