山本作兵衛

 以前、‘文化としての炭鉱’展で見たことのある、山本作兵衛の絵が、ユネスコの記憶遺産に登録された。
 炭鉱は、近代そのものだ。
 ‘額に汗して働く欺瞞’から、私たちは抜け出さなくてはならないだろう。
 私たちは生きるために働いている。何のために生きているかは、また、別の問いだが、その問いに‘働くために生きている’と、もし、あなたが答えるなら、かなり重篤な病だろう。
 美しいのは、‘額に汗して働く’ことではなく、‘必死に生きる’ことだというのが、あのとき私が思ったことだった。