「ハングリー・ラビット」

knockeye2012-06-16

 ニコラス・ケイジはハリウッドの借金王という意味で、モト冬樹よりずっと藤山寛美に似ている。‘芸のためなら女房も泣かす’というタイプ(と、わたしが思っているだけかもしれない)。
 出演する映画の選択を見ていても、観客を楽しませることを第一に考えている気がして、わたしなんかは、ニコラス・ケイジが出ているというだけで条件反射で観にいきたくなる。ここ最近の作品だけあげても「キックアス」、「魔法使いの弟子」でしょ。ハリウッドの良心だよね。
 「ハングリー・ラビット」もステキに痛快。原題は‘SEEKING JUSTICE’と、なんとなくお堅いようで、これは邦題の方がいいみたい。‘ラビット’って顔じゃないような、でもないような、という不即不離感がよい。
 ところで、今日私が観た回には、横浜らしいというのかなんというのか、かの国のティーンエイジャーが連れ立って観に来ていた。本編が始まる前の予告編のところで、何の映画か忘れたけど、画面にバーンとでるタイトルと、ナレーションのタイトルが違ってるので盛り上がっていた。わざわざ英語で邦題をつけるって、確かにちょっと受けるんだろうね。
 「L.A.コンフィデンシャル」「アニマル・キングダム」のガイ・ピアースがストーリーの要になっていて、ニコラス・ケイジとの緊張感がよい。
 ヒロインのジャニュアリー・ジョーンズもきれい。ちょっとフェミニズムの匂いもする。
アクションシーンも、カーチェイスダッジ・キャリバーもかっこいいし、ニュー・オーリンズの街の雰囲気もいい。
 同じニコラス・ケイジの「ウェザーマン」は舞台がシカゴじゃなかったら魅力が半減していたと思うけど、そういう、いわば地霊に義理を通すみたいなところも、ツボを押さえているなと思う。
 監督は「世界最速のインディアン」のロジャー・ドナルドソン。あの映画は、バイク乗りとしては見に行きたかったんだけど見逃したな。