小沢一郎離党

knockeye2012-07-03

 小沢一郎が離党した。
 まぁ、これは、そりゃそうだろっていう話なので、「党に残って再生に・・・」みたいなことよくいえたものだ。もちろん、それを地でいっている鳩山由紀夫という人もいて、もともと影が薄いので批判されないが、この人こそ、はっきりと「消費税は上げない」と断言した当時の民主党党首かつ日本の総理大臣だったので、今回の法案の採決で、反対票こそ投じたものの居座りを決め込むとはよい度胸。その度胸を普天間問題の時に発揮してもらいたかったものだ。ちなみに、この人だって、震災直後、姿をくらましていたと思うが違うだろうか。
 いろんな人のいろんな反応をブラウジングしてみたが、池田信夫のブログは今回出来が悪くて、ただのペダンティズムになっている。そういう見方もできるでしょうねというだけ。言うまでもなく、現実は幾層ものフェイズの積み重なりだから、変な切り方をすれば、変な見え方もするが、それこそが真実ですというにはもうちょい説得力が必要かと思う。こういうスパッとした切り方が、上手くはまることも多くてそういうときはこの人のブログは面白いんだけど。
 岸博幸の記事と比べてみると、池田信夫のペダント臭がきわ立つ。岸博幸は政治の現場を経験しているので、わかりやすく話す姿勢が身についている。野田佳彦小沢一郎の違いについては、池田信夫とほぼ同じことをいっていると思うが、ただ、バラマキ行政の復活をあげて、そこに疑問を呈している。「ポピュラリズム」という言葉を紹介しているが、日本の政治はそれよりずっと原始的なレベルだと評している。私もそうだと思う。
 それは、日本の政治を長く身近に見てきた田原総一朗にすれば、むしろ自明のことらしく、小沢一郎の二つの弱点として

ひとつ、政策にほとんど関心を持っていない

 日本の政治を20年間動かしてきたと、少なくとも、マスゴミにはそう評されている政治家の弱点が「政策に関心がない」(!?)。しかし、これは20年も目を凝らしてウォッチングしていなくても、1年くらい見ていればすぐに気付くことである。
 だって、マニフェストを1週間も経たずにひっくり返しておきながら、立場が変わると‘マニフェスト遵守’みたいなことを平気で口にできる人物なのだ。
 今回も、「増税反対」はまあ当然として「脱原発」を掲げているのにはのけぞった。去年、脱原発をめぐって議論がたたかわされていた時に、そんなこといってたかなぁ、このひと。今、脱原発をかかげるなら、せめてそのテーマだけでも菅直人と共闘してほしかったなぁ。

もうひとつは「許容力」が小さい

 言い換えると器が小さい。これはつくづく‘器が小さい’ということを体現しているような人だと思う。
 それで、何が面白いかというと、‘政策に関心がない’‘器が小さい’なんてことは、この国の政治を動かすには小さな弱点に過ぎないという情けない事実だ。
 一方の雄、野田佳彦をかえりみても、例の‘シロアリ、働きアリ演説’をした人物が、涼しい顔でシロアリの巣の上に堂塔伽藍を築く(行政改革に手をつけず、消費税率だけをあげれば、経済のパイは縮小する一方で、役人の取り分だけが多くなる。増税分なんてそれこそ津波のように既得権益に飲み込まれてしまう)わけだから、岸博幸の言うように原始的なレベルと言わざるえないだろう。
 高橋洋一の記事に渡辺喜美の演説が一部引用されていた。
「議場を見渡すと、約8割以上が増税翼賛議員になろうという、おぞましい光景です。1930年代の準戦時体制下で政党内閣制は崩壊しました。選挙の洗礼を受けない官僚内閣制が完成し、後に大政翼賛体制が確立、官僚ファシズムが横行しました。まさに、今、国会が増税官僚のシナリオに乗って、日本政治史の一大汚点を作ろうとしています」
 多分、こういう発言は、この国のマスコミのお好みにあわないのだろう。