世の中ってさ。
今週の週刊文春、宮崎哲弥の「時々砲弾(毎度いうのも何だけど、これ「時事放談」のもじりなんですよね)」に、今春出版された『日本政治 ひざ打ち問答』という本が紹介されていたんだけど、そのなかに、小沢一郎の『日本改造計画』を書いたのは誰だったかについて書かれているそうだ。
御厨貴が「政治の部分はぼくと飯尾(潤)が書いて、外交と安全保障は北岡伸一、経済は竹中平蔵と伊藤元重が書いたんですよ」と、書いた本人が言ってるんだからこれほどたしかなことはない
『日本改造計画』については、政権交代直後の、たしかNHKのインタビューでのこと、インタビュアーが『日本改造計画』についてふれたのだが、そのとき小沢一郎の顔に「ふん」といった、傲慢とも自嘲ともつかない、変な苦笑が一瞬浮かんだ。それを見たときに、こいつ書いてねぇな、とは思った。
宮崎哲弥は、「これだけの面子をブレインに揃えた小沢一郎という政治家の先見性には驚かされるが」と書いているけど、それはよいとして、政権交代の、あの当時さ、「小泉・竹中のせいで『格差社会』になった」と騒いで、竹中平蔵がテレビに出ると、「こんな奴出すな」という抗議の電話をテレビ局にかけてた人がいっぱいいたでしょう。
その一方で小沢一郎は「救世主」みたいな扱いだったわけでしょう。
でも、その小沢一郎の主著『日本改造計画』の経済部分を書いていたのは竹中平蔵でしたってことになると、あの当時、騒いでいた人たちは、いったい何を騒いでいたことになるのでしょう?。
集団心理に流されすぎだと思う。オブチノミクスで緩んだ財政規律が持ち直しかけたのは小泉政権下だけなんだから、そこは評価して当然だと思いますけどね。
それにしても、御厨貴がこういうことを表に出すのは、良くも悪くも、小沢一郎が過去の人になったということなんでしょう。今さらいうまでもないことかもしれないけど。
- 作者: 御厨貴,芹川洋一
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2014/04/09
- メディア: 新書
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