日曜日は、根津美術館で「応挙の藤花図と近世の屏風」。
根津美術館のコレクションのなかでも、まちがいなく逸品のひとつであろう円山応挙の藤花図屏風。だが、今回の展覧会の魅力は、応挙の無頼の弟子、長澤蘆雪の赤壁図屏風が、それとともに出品されることだろう。
どちらも六曲一双で、応挙の藤花図は紙本金地着色、蘆雪の赤壁図は紙本墨画淡彩。同じサイズということもあり、どちらも一歩も譲らない感じ。すでに二百年以上の時が経っているのに、このふたつの絵を並べた時に張りつめる緊張感は何だろうか。
私なんかの世代は、「北斗の拳」のラオウとトキを思い浮かべてしまう。
藤花図屏風で、応挙が駆使しているテクニックについては、美術館のPDFに詳しく解説があるので、そちらを見ていただければよいが、応挙の絵にわたしたちが見るのは、いつもながら毛筋ひとつゆるがせにせぬ緻密な構成と、幾重にも折り重なるテクニックと構想のボリューム。
それに比べて、長澤蘆雪の赤壁図は、天から下りてきたとしか思えない、一瞬のひらめきと軽さ。
ふたりながら、まったく異質の天才に見えるのだが、このふたりはお互いをどう思っていたのだろうかといつも不思議に思う。
この時代の京都には、伊藤若冲がいて、曾我蕭白がいた。東山あたりから銀閣寺くらいまで歩いてもさほど苦にならない小さな町だけれど、文化の爛熟ということを思わせる。
お茶道具の展示の方では、小堀遠州が空也と銘した瓢形茶入がよかった。見ていると思わず頬がゆるむ感じ。
へうげものの15巻を読んだ。関ヶ原の戦い。
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