台湾国会占拠と天安門事件とウクライナ

knockeye2014-03-19

 いま、台湾の国会が、抗議する学生たちに占拠されている。
 どうしても、思い出さずにおれないのは、天安門事件の悲劇だ。天安門事件のあの非人道的な制圧に対して、先進国はもっとできることがあったのではないか。あのときの若者たちは、民主主義の価値を信じて、天安門広場に集まったのに、中華人民共和国政府の答えは彼らを戦車で挽きつぶすことだった。
 結局のところ、あの訒小平の暴挙を許したことが、その後の中華人民共和国の傍若無人ぶりにつながっている。あのとき、戦車の前に立ちはだかった若者が、ほんとうは私たちの友人であるはずだった。
 youtubeにアップされている、台湾の学生たちの真摯な訴えを聞くにつけても、国連の、つまり、国際社会の、台湾に対する態度は、あまりにひどすぎたのではないかと考えざるえない。
 中華人民共和国は、まともに選挙さえ行っていない。そのような非民主的な国家が国連の常任理事国で、台湾は国連に加盟さえされないのはおかしくないか?。北朝鮮でさえ、国連に加盟しているのに。
 「ひとつの中国」という中華人民共和国の主張を、国際社会はこれといった反論もせず、唯々諾々と受け入れてきたわけだが、その間、中華人民共和国は、文化大革命天安門事件チベット問題と、ありとあらゆる人権問題をひきおこしてきた。
 そして、いまも、周辺国家とさまざまな軋轢を引き起こし続けている。
 中華人民共和国は、国際社会の一員として、国際秩序に貢献してきたと言えるか?。民主主義という価値観を共有する国際社会にとって、中華人民共和国は、台湾よりも国連の一員としてふさわしいのだろうか?。
 今回の台湾の国会占拠の問題に、中華人民共和国が、どのようなかたちにせよ、介入することがあれば、それは、ロシアのウクライナ介入とどうちがうのか?。
 歴史に‘たら、れば’はない。後で振り返って、「あのとき、台湾の若者たちを見殺しにしないでいたら」とは思いたくない。
 安倍首相がいう「積極的平和主義」が、ただのお題目でないなら、今、この台湾の状況について、見て見ぬふりはないと思う。すくなくとも、「学生の人権に配慮されるように注視している」くらいの声明はあっていいはずだ。
 そして、台湾の国連加盟に積極的に動いて欲しいと思う。