池田信夫が、慰安婦問題について書いた文章に最初に接したとき、衝撃を受けたとともに、その反動で、ちょっと疑念を抱いたのはたしかだった。
その疑念に根拠はなかったが、元慰安婦の方たちにちょっと気の毒なんじゃないかという思いもあったし、何と言っても、今これについて議論しているほとんどの人がそうであるはずだが、慰安婦についての情報はすべて二次情報なんだし、どちらかの立場に偏りきることはやめようとの思いもあった。
しかし、今ふりかえってみると、慰安婦問題についての、池田信夫のこの見解は、完膚無きまでに正しいな。すくなくとも、「歴史的事実」を主張できるのは、朝日新聞の方ではなく、池田信夫のこの見解だろう。
一見すると、池田信夫がデマゴーグに、朝日新聞がリベラルに見えるが、事実を検証してみると、デマゴーグなのは朝日新聞の方で、リベラルというべきは、池田信夫のとっている態度のほうだった。
たしかに、朝日新聞の国際的な発信力を考えると、この問題はもう取り返しがつかない。しかも、問題が戦場でのレイプという、普遍的な問題を偽装しているので、朝日新聞は、そうしようと思えば、永遠に、この虚偽報道を正当化しつづけられる。そして、おそらくそうするだろう。なぜなら、そうするしかないから。
この似非リベラルなポーズを、いったいどれだけの人がこれからも支持し続けるのか、あるいは、積極的な誤解とでもいうべき自己欺瞞に、いつまで世界が耐えうるのかは、ある意味ではとめどなく興味深い。
しかし、そうなると、これはもう宗教のレベルなので、キリスト教徒にユダヤ人が2000年にわたって差別され続けているように、これから私たちも、世界中の似非リベラルから白眼視されつづけるのかもしれない。