派遣社員の話

knockeye2015-01-29

 最近、更新がとどこおる言い訳に時々書いたけれど、この二ヶ月とにかく忙しかった。この数日ようやくまともな時間に帰れるようになった。
 本社からも専門家の○○さんが、来たり帰ったりのくりかえしで大変お手数をかけた。
 このブログではほとんど仕事の話は書かないんだけれど、ここまで仕事漬けの毎日だと、さすがに仕事方面でネタになることも起きる。うちで働いている派遣社員の話。
 機械の点検をしていた○○さんが、「ちょっといつもやっているチェックをやってみてよ」というので、私がやろうととする一瞬前に、なんかわからないけど、この派遣社員がやり始めた。
 まぁ、いいや、いつもやってもらっていることなんだし、と思いつつ、その派遣社員の作業するのを見ていたらびっくりしたことに、プラスとマイナスを間違えてる。
 「ちょっと待って。あんた(オマエっていいたかったけど)今までずっとそうやってたの?。それ、ここで働き出した最初に教えたし、ノートにも書かせただろ。ちょっと見てみろよ。」つったら、ポケットからノートを出してめくり始めた。みんなが見つめている、その派遣社員の手が、それを書いているページを平気で通り過ぎていく。○○さんと私は思わず声を揃えて「今のとこ、今のとこ」。
 「自分で書いたんだろう?これ。書いてあんだろうが、ここに。」
 ここまで一言も発していなかったこの派遣社員が、ここで何と言ったか?。
 「でした」
 爆笑問題の「怒りんぼ、田中裕二」ならここで「はあー?」と来るところだ。
 「‘でした’?‘でした’って何だよ?。五十過ぎたいい大人が、プラスとマイナスまちがえるみたいな大ちょんぼやっといて、しかも、自分で書いたメモを自分で見つけられないって何だよ?」
 しかし、現実の社会では、ラジオと違ってこういうところで声を荒げたりすることはない。○○さんも私もスルー。この派遣社員に関しては、もう評価が定まっているところがあって、今さら誰も叱らない。
 そのメモに関しては、前日談もある。この派遣社員が来た最初の頃、仕事を覚えるために、「自分専用のマニュアルを作るつもりでメモをとれ」といって買わせた。もちろん、買って与えてもよかったけれど、高いモノでもないし、それに、こういう文房具って、好みもあるだろうしと思ったのだ。
 すると、A6くらいのいわゆる‘リングメモ’というのか、長方形の短辺がスプリングで綴じてあるメモを買ってきた。メモとしては一般的だろう。
 さっそく、こちらが教えることを書き始めた。表紙をめくってまず最初のページに書く。書き終わったら、めくって次のページに書くんだが、ああいうリングメモは、紙の裏まで書くのと、裏は使わずに一枚ごとに書く、という二通りの使い方があるだろう。
 この派遣社員は裏を使い始めたのはよいのだけれど、一枚めくって、長方形の長辺を軸にして線対称に回転させて書き始めたのである。簡単に言えば、一ページ目、リングを上にして書いていたのに、その裏もリングを上にして書き始めた。それで、その1ページ目が終わってめくったらどうなるか。表紙に戻っちゃったよ。この使い方だと、何ページあろうが、永遠に一枚を行ったり来たりしかできない。
 それ見たとき、これはダメだと覚悟した。この人、いちおう大学を出てる。神宮球場で野球はしないが、箱根の山は走るレベルの大学だ。それでいて、今までメモもとったことないんだろうか。
 世の中で、‘ブラック企業’がどうたら、‘格差社会’がどうたらという議論があるんだけど、なんか笑っちゃうんだよね。このひとに重要な仕事とか任せられるわけないもん。
 ずっとプラスとマイナスを間違えてて言った一言が「でした」よ。まあほんとひっどい話だわ。