「さよなら たりないふたり」完全版みました

 huluで「さよなら たりないふたり」のフルサイズ版がやってるって話だったので、2週間無料体験でみました。
 伝説のライブと言われるだけのことはある。先週のオードリーのオールナイト日本を聴いていると、オードリーのボケとツッコミは途中で交代したそうで、もともとは若林正恭の方がボケだった。いまでも、ネタを書いているのは若林さんの方だから、オードリーの漫才の春日さんのボケは、というか、あのキャラクターは、若林さんの狂気の投影だったわけだ。
 春日俊彰って人並外れたクソ真面目な人に、若林さんの狂気を演じさせるのが、オードリーの笑いの基本なんだと思う。
 逆に言えば、若林さんの狂気そのままをボケとして出した場合、それにツッコミを入れられる相方ってなかなかいない。それが、ボケとツッコミを替えるまでオードリーが苦戦した原因かと思う。
 たりないふたりの即興漫才を観ていて、そういう若林正恭のハードなボケを笑いに変えられるなかなか得難いツッコミが山里亮太なんだろうと思った。ほんとに面白くて、80分の漫才があっという間だった。
 ただ、やっぱりこのユニットは、オードリー、南海キャンディーズの実績が過去にあって、はじめて成立している笑いだというのもほんとだと思う。仮に、若林正恭山里亮太、を誰か知らないって人(そういう人は見にこないだろうからあまり意味がない仮定だが)が、この笑いを共有できたかどうかは、わからない。できたかもしれない。しかし、この2人の旬の漫才師が、自分たちの歴史をそのままフリにして、即興漫才にしたてることが、むしろ、醍醐味だと言えるだろう。
 2006年にタイムスリップしてその時の山里亮太に会いに行く件なんかは、まさにそういう笑いで、これはふたりのこれまでの歴史があってこそ、味わえる笑いだろう。
 この2人のユニットを、昔、笑っていいともの金曜日で、タモリさんとさんまさんがやってたフリートークみたいな形でレギュラー化しても、もちろん成立するが、でも、5年ぶりにやった今回みたいな爆発は望めないだろう。
 もちろん、山里亮太の結婚、それから、このライブの後に発表された若林正恭の結婚もあり、このライブの漫才は一回きりの伝説的なライブになったんだと思う。
 ところで、huluでは、短縮版のほうも配信しているので間違わないように。