都市の猛暑をしのぐアイデアいくつか

 結局、東京五輪なくてよかったじゃない?、と思わせる猛暑が続いている。
 なので、都市の猛暑をしのぐアイデアをいくつかランダムに紹介したい。

 まずは、「シェルピンスキー四面体」を利用したサンシェード。

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フラクタル日除け

 うっかり夏の海辺でタープなんかを張るとする。そういうことをしたことがある人は分かると思うが、タープで作った日蔭が涼しいかといえば、これがとんでもなく暑い。

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海辺のタープ

 まず、タープそのものが太陽の輻射熱を蓄えてしまう。そして、その熱が、タープで覆われた空間に伝わる。しかも、タープが風を遮ってしまうと、この熱が逃げない。最悪な結果になる。
 ところが、世の中の公共の場、歩道とか歩道橋とかにあるサンシェードは、原理的にはタープとほとんど変わらない。タープよりは位置が高いので風が通りやすいというだけである。
 これに対して「シェルピンスキー四面体」を利用したサンシェードは、一つの面が細かな部分に分割されているため、熱を貯めにくい。そして、風を通しやすいために、熱を逃しやすい。
 これは10年以上前に開発されているのに、まだあまり見かけない。もっと普及してもらいたい。
archive.g-mark.org

www.sekisuiheim-supply.com

 これに組み合わせて活用したいのは、霧のいけうちの「ドライフォグ」。

www.nikkei.com

 ミストはけっこう見かけるようになったが、10ミクロン以下のドライフォグは触れても濡れない。このコロナ禍では、密閉空間を避けなければならないので、解放空間で冷却効果を発揮するドライフォグは有効。上記の日覆いの辺縁部分で使えば効果は大きいと思う。
 しかも、さらに注目なのは、このフォグに消毒液を混ぜて使うことができる。これで飛沫感染の危険性を大幅に軽減できる。
 大阪の会社なんだし、それこそ、イソジンでも混ぜれば、感染予防の効果は絶大なはず。吉村知事、おひとつどう?。費用がどうなるかは心配だけれど。でも、イタリアではすでに実用化しているとか。

hero-x.jp


 もう一点は、透水性舗装。

 保水しないアスファルトは、雨が降らなければ、水不足になるおそれがあるし、雨が降れば洪水になりやすい。雨を地下に導く透水性舗装がよいのは分かっているので、これはけっこう古くから検討されてきたが、問題点もはっきりしていて、それは目詰まりなのである。細かな粉塵が、透水性を阻害してしまう。
 なので、目詰まりしない絶妙な素材か、もしくは、目詰まりしても簡単に交換で来てリサイクルできるかの、どちらかの素材が出来れば、都市冷却効果、水害対策の両面から普及が見込まれると思う。
 以下の製品は、繊維会社が廃棄物を再利用したものなので有望かも。

kenzai-digest.com

 おまけに、緑化のためだけの歩道橋。
 今はあまり見かけることがなくなった歩道橋。というか、どんどん撤去されている。これを単に緑化のためだけに設置すれば、けっこう安価で設置できると思う。人が渡るわけではないので、階段部分が省略できてさらに安くできる。交通量の多い交差点の上空部分を覆うように空中の雑木林を創れば、排気ガス浄化の効果もみこめる。野鳥のねぐらとしても期待できる。安価で現実的だと思う。

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緑化跨道橋