モンキーチャック、インパルス板倉、フースーヤ

 先週はラジオの「スペシャルウイーク」ってやつだった。要するに、聴取率を調べる週のこと。ラジオはテレビみたいに分刻みで視聴率がわかったりしない。スペシャルウイークにだけ、ざっくり調べる。そういう訳なので、スペシャルウイークっていうと、スペシャルなゲストを呼ぶ番組が多い。 
 しかし、そういうケミストリーって案外失敗に終わる場合が多いなか、面白かったのはオードリーと佐久間宣行と霜降り明星だった。
 オードリーは、今はもうとっくに辞めたかつての芸人仲間のモンキーチャックのチャゴさんと星さんって人が来ていた。泣かず飛ばずって訳だったわけでもなかったみたいだけれども、30代で見切りをつけて辞めた。チャゴさんの方は、テレビ番組の企画で東大受験チャレンジをしていた繋がりで、そのあと塾講師になっていまは塾を5軒経営している。星さんの方は外資系のセールスマンになって、その会社でトップセールスマンになったそうだ。
 そのまま「激レアさん」に出られそう。多分、出るんじゃないかと思う。しかし、30代半ばで芸人を辞めますって、なかなかの決意だったはず。チャゴさんはその当時すでに結婚して子供もいた。辞めることを奥さんに話したら「安定した仕事に就きたいとかいうなら別れる」と言われたそうだ。思わず泣いた。
 佐久間宣行さんのゲストはインパルスの板倉。佐久間さんのゲスト回は常に面白い。これはやっぱりさすがにプロデューサーなのである。インパルス板倉は、もともとロバートの一員だった。吉本の養成所NSCで同期だったロバート秋山と馬場さんと板倉でロバートだったそうだ。デビュー当時から、はねるのトびらを経て今まで、キングコングやはんにゃとのかかわりも含めて、ざっくり振り返っていたが、ドラマティックで面白かった。たぶん先週だったか、オークラさんがゲストの回で、はねるのトびらのコントはテレビコントの歴史上かなり高いレベル、おそらく一二を争うレベルだったという話になっていた、そのつながりでこのゲストになったのかも知れない。
 板倉さんは一時期ケンドー・コバヤシさんがネタにするくらいメンタルがやられてたみたいだったが、「ここまで来たら、自分を貫いた人間がどういう末路を辿るのか見たいんです。はっきり言ってスナック菓子みたいなことをやって売れる未来は想像できるんですよね、もう。この残酷な世界の中で貫いて生きた人がほんとうにただ不幸になるだけなのか、それとも何か、ご褒美が待ってるのかっていう、そのエンディングに興味があるんですよ。」
 Netflixで『浅草キッド』を観たけど、大泉洋が演じたビートたけしの師匠、深見千三郎を重ねずにおられなかった。M-1は、錦鯉が大逆転でチャンピオンになる劇的な展開だったが、かつてはロックやパンクが担っていたそういう役割を、今は芸人が担っている。『浅草キッド』にはたまたまcreepy nutsが出てたけど、creepy nutsたりないふたり星野源バナナマン銀杏BOYZ空気階段などなどミュージシャンと芸人のつながりが伺えるのもラジオならでは。
 霜降り明星のオールナイトにはフースーヤが来ていた。第七世代というトレンドも古くなったと思うが、しかし、オードリーやインパルス板倉と違って若い世代の笑いの勢いが感じられた。「まぶしい」ってやつかな。


www.youtube.com


www.youtube.com


www.youtube.com