設楽統=萩本欽一理論

 最近、Radikoばっかり聴いてる。creepy nutsのDJ松永が、「ラジオは人間のやることだけど、テレビは人間のやることじゃない」と、これは、「あちこちオードリー」で言っていた。星野源も「オードリーのオールナイトニッポン」にハマっていると、これは、「星野源オールナイトニッポン」で言っていた。
 星野源はずっとバナナマン派だったのに、オードリーにシフトするのか。
 バナナマンのバナナムーンゴールドは、一時期の聴取率1%に迫ろうとする勢いはなくなっているようだ。この原因を推測するに、アフタートークポッドキャストが終わったからだ。バナナムーンゴールドは、ポッドキャストが抜群に面白かった。個人的には、ポッドキャストの方が、本編より面白かった。少なくとも、ポッドキャストと本編が相乗効果を生んでいたことは間違いなかった。
 本放送が終わった後に、50分とかポッドキャストで喋ってたこともあった。放送局としては、コストが見合わなかったのかもしれないが、バナナムーンゴールドに関していえば、費用対効果は高かったんじゃないだろうか。
 今は、ポッドキャストの代わりに、ラジオクラウドがあるけれど、これはポッドキャストみたいに、時間を気にせず好きなだけ喋るってことはできないみたい。窮屈そうにやってる。しかし、この2週間のラジオクラウドは、昔のポッドキャストの片鱗を思い出させてくれた。先々週はゲストににゃんこスター、先週は、バナナマンの事務所の後輩で、ともに女性でものまね芸人をしている、メルヘン須長ハリウリサが来ていて、アフタートークにも残っていた。

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2020.2.21バナナムーンゴールド

 特に、先週のラジオクラウドは、メルヘン須永、ハリウリサ、設楽統、日村勇紀の掛け合いが立体的で面白かった。
 メルヘン須長は、今度R-1の決勝に残った。

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左は沢口靖子、右がメルヘン須長

 基本、沢口靖子のものまねをしている。けっこうベテランで、ホリプロものまね軍団っていう、バナナムーンゴールドから生まれたユニットでは、リーダー的なポジションにいる。
 バナナムーンゴールドにゲストとして招かれたのは、メルヘン須長だけだったんだけど、ハリウリサメルヘン須長が連れてきたのだ。聞いてると、かわいい後輩なのがよくわかる。

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右は小川菜摘、左がハリウリサ

 ハリウリサは、基本、ダウンタウン浜田雅功のものまねをしている。これがしかも全然似てなくて、それがなんか面白い。
 メルヘン須長は、ハリウリサが気に入りまくってるみたいで、「ねえねえ、あれやって」みたいな感じで、前後の脈略なくネタを振る。それを受けてハリウリサがやるものまねが絶妙に似てない。まったく似てなくはない。でも、似てなさが絶妙。この絶妙さがメルヘン須長にとっては振りやすいんだと思う。
 大受けして笑ってるメルヘン須長の横で、設楽統が
「・・・いやいや」
とつっこむ、その間とトーンが最高で、それを聞いて今度は日村さんが受ける、っていうこの連携が、何度聴いても笑える。
 やっぱり、バナナマントークは日村さんがツッコミにまわった方が断然面白い。ただ、バナナマンは漫才ではなくコントなんで、日村さんはツッコミに徹するってわけじゃないし、設楽さんもボケ担当ってわけじゃない。
 TBSジャンクの他のメンバーは、元噺家伊集院光を除いてみんな漫才師、もちろん、オードリーも漫才師だ。コント師がメディアで成功した例はじつはそんなに多くなく、前例としては、萩本欽一が最後だと思う。ドリフターズクレイジーキャッツの場合は、番組がそのままコント番組だったわけで、それは話が違う。
 で、先週と先々週のゲストとのからみを聞いていて、設楽さんは萩本欽一と資質が似てると思った。そっち方向に答えがある気がする。