『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

 真っ先に思い出したのは『クレイジー・リッチ』だった。純然たるアジア系主人公のハリウッド映画。
 内容というほどのものはなく、ただただ面白い、ゴージャスで緻密に織り上げられたドタバタメタバースSF。
 ただ、車椅子に座っている老爺さえもカッコいい見せ場を持っている、隅々まで優しさに満ちているってところはアジア的と思える。赦しと癒しが最終的な解決になるのがアジア的。二元的で善悪に世界をわけてしまうキリスト教的な結論に至らないところはやはり新しい。
 私たちにとっては新しくも何ともないのだけれとも、ハリウッド映画にとっては新しい思想だと言えるだろう。
 しかしメタバースものとしては、今、バカリズムの『ブラッシュアップライフ』見てるところだから、どっちが好きと言われたら、バカリズムの方ですね。
 来週が最終回だと思うのだけれど、どういうオチをつけるのか、今から楽しみ。映画『地獄の花園』も見事におとしたからなぁ。


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