『ジミー・サビル: 人気司会者の別の顔』

 昔、ジャリズムが解散した原因のひとつに、オモロー山下が吉本の社員になれると思ってたってことがある。いざ解散して「吉本の社員になろうかなぁと思て・・・」と会社に言ったら「おまえアホか」と言われて「あわわわ」となったって話はけっこう有名。
 それとおんなじことを今ジャニーズがやろうとしている。ヒガシやイノッチはタレントであって経営のノウハウなんて持ち合わせてない。しかも、この前代未聞のsexual abusementに絶対に責任がある奴は彼らを盾に表に出てこない。そこが一番問題なわけ。
 ヒガシもイノッチも、こんな時にむざむざ経営を押し付けられてる時点ですでに経営センスがない。断れ。そもそも一所属タレントに話を聞いても埒が開かない。今からでも辞任すべきだろうと思われる。
 しかし、聞けば聞くほどおぞましいことになってきた。先月末の時点で、被害者窓口に連絡してきた人数は478人いたそうだ。表に出たくない人たちのことを考えると被害はすさまじい数にのぼると思われる。
 他人の性生活はほんとうにわからない。今回の場合は、まず同性愛が感覚的に理解できない。したがってどうしても現実感がない。しかもこの数。
 何度か書いてきたように、私自身も幼児期に男にチンポを咥えられてイカされた経験があるのだけれど、それが何を意味しているのか理解できたのは成人してかなり後だった。その結果かどうか、私の場合、性的なだけでなく人間関係に対する忌避感、そして、自己肯定感の歪みを持つようになったと分析している。
 にもかかわらず、というか、だからこそなのか、わからないが、この手のセックススキャンダルには現実感がない。
 しかし、私のような経験がなくとも、やっぱりこの前代未聞の事実は誰の想像をも絶するのではないかと思う。
 この一連の事態の発端はBBCの報道だったわけだが、なぜBBCが極東の島国の芸能スキャンダルに興味を持ったか、『ジミー・サビル: 人気司会者の別の顔』を見てよく分かった。
 sexual abuseが行われていた期間の長さ、被害者の多さ、加害者が亡くなるまで事件が表沙汰にならなかったこと、など似ているところが多い。
 ジャニー喜多川と違って、ジミー・サビルは出役だったが、その代わり、ジミー・サビルはチャリティーに熱心な篤志家として知られていて、ついには叙勲して爵位まで獲ていた。ジャニー喜多川の場合と同じく、そのような噂はあったそうだが、そのような噂を真に受けなかったからと言って責められない気がする。
 死後、事実が明らかになるにつれだんだん風当たりが強くなる。このあたりは、日本の場合はこれからなんだけれど、少なくとも、ジミー・サビルの場合は墓地から墓石が撤去された。
 ジャニー・喜多川の墓は高野山にあるらしいが、これからの風向きでこれがどうなるか。日本の場合も、収束するとはとても思えない方向に転がり始めているように見える。
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